虐待の通報義務化スタート「仏カリ」「仏教保育」編集会議/事務局会議 「仏カリ」次年度企画会議保育所等における虐待の通報義務化が10月よりスタートしました。児童養護施設や障害児者施設、高齢者施設などに設けられている「職員による虐待等の発見時の通報義務」の仕組みが、保育所や幼稚園、幼保連携型認定こども園などにも適用されたかたちです。9月にこども家庭庁が公表した虐待死の事例検証(第21次報告)では、心中によるもの(17人)を除くと、令和5年度に虐待で死亡した子どもは48人。このうち0~2歳が38人と約8割を占めています。なかでも生後すぐの新生児期に遺棄されて死亡したケースの多さから、こども家庭庁は出産前後の支援体制の整備を図るとしています。また、3月に公表された令和5年度の児童相談所における児童虐待の相談対応件数は約22万5千件で、心理的虐待を中心として前年度に比べて1万件以上増加しています。相談元としては、警察等が5割を占め、保育所からの相談は約2千件で全体の1・0%でした。先月スタートした通報義務は、4月に成立した児童福祉法等の改正において、都道府県等による事実確認・措置や虐待の状況の公表などとあわせて規定されました。改正法により、「保育所等の職員による虐待」を受けたと思われる子どもを発見した者は、速やかに都道府県または市町村に通報しなければならないとされています。8月に改訂されたこども家庭庁・文部科学省『保育所や幼稚園等における虐待の防止及び発生時の対応に関するガイドライン』を踏まえ、職員全体で虐待の通報義務化について確認する必要があるでしょう。 (荒牧)秋も深まり、日増しに朝夕の冷え込みを感じるようになりました。子どもたちは落ち葉を踏みしめながら季節の移ろいを肌で感じ、自然のなかで多くの学びを得ています。おける「精進」は、ただ頑張ることではなく、正しい方向を見定めて、怠らず継続していく心のあり方を指します。保育の現場においても、子どもたちの成長を願い、一歩一歩、丁寧に日々の保育を積み重ねていくことが、まさにこの「精進努力」そのものであると感じます。日々の業務や事務、保護者対応など忙しさは尽きませんが、困難な状況に直面した時にこそ、忍耐強く努力を続けることで、困難を乗り越え、より強い絆を築くことができるでしょう。忙しさのなかで立ち止まり、仏教の教えをふと思い出すことが、私たち保育者における心の支えになります。園が大人にも子どもにも安心の場であり、仏の心を育む場であり続けられるよう、皆さまとともに歩んでいきたいと思います。ガイドライン事務局日誌令和7年11月1日発行 10/7 10/24 第 736 号(8)11月の徳目は「精進努力」。仏教に
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