202510
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子どもたちの遊びつくる世界へようこそ! 〜幼年期再訪ワークショップ〜鮫島良一先生次に、「望ましくない関わり」として、①意味(問題・課題の本質)が伝わらない、②心を傷つける、③発達・その子に合っていない、④育てたい力が育めない(時間がかかるという前提に立っていない)を挙げた後、ワークただ叱りシートに望ましい関わりのアイデアを記入し、4人グループでシェアする時間を持ちました。「皆さんと一緒に考えた『マインドチェンジすること』『あの手この手の引き出しを増やすこと』。この2つで不適切な保育を回避することを提案したいと思います。ほかの先生たちと考えをシェアする機会にも、ぜひ今日のワークを思い出してみてください」最後に、菊地先生は今、「お家① 自由な散策(好きにあっちこっ② 緩やかなつながり(放任でも③ 遊びの世界を存分に堪能する「気持ちと現実が噛み合わな『大人に共感・受容してもらした。その子どもが『将来を幸せに生きていくための土台をつくる』。これが保育者の仕事だと分かったんです」「不適切な保育」の定義は、こども家庭庁「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」では「虐待等と疑われる事案」と定義されています。「虐待等の周りに不適切な保育(虐待等と疑われる事案)があって、さらにその周りには『望ましくない関わり』みたいなものもあるよねと言われています。日常の声かけなど、よくありがちな関わりを見直すことが、未然に不適切な保育を防ぐことになるということですね」ここからはグループワークが中心です。まず2人組をつくり、需要的な言葉かけの効果について、言う側と言われる側に分かれてロールプレイを行いました。「いかがでしたか? つけるのは逆効果のように感じられたのではないでしょうか。注意や指示などをする時も、まず共感・受容の言葉を伝えることで人の心の中に情報がすっと入るようになってきますので、ひと言目は受け止める。ふた言目にダメなことはダメと言う。『ひと言目は受け止めよう』というのが全ての対応の基本ではないかなと思っています」で葛藤する経験を積んでいる子が少ない」と感じているそうです。いことって日常の中にたくさんありますよね。気持ちをコントロールできるようになるために、えて安心している状態で葛藤する』ということが、私はすごく大事だと思っています」 鶴見大学短期大学部 准教授鶴見大学短期大学部附属三松幼稚園 園長鮫島先生は冒頭で「子どもと関わる仕事をするためには、子どもの目線で一緒に楽しめる遊び心のようなものが必要となります」とおっしゃいました。先生の講義は、自分の中の”子ども性“をたくさん発揮してもらえるようなワークショップです。「僕は元々アートの人間で、木で大きい彫刻を作ったりしているんですが、子どもたちの世界に関わるようになってから、立派な作品より子どもの小さな小さな発見に心が動かされるようになりました」鮫島先生は、三松幼稚園の園長を務めて8年目。「子どもの生活には遊んだりつくったりがあふれています。葉っぱを自慢げに見せてきて、何だろうと思ったら、ハート型の穴が空いていたり。素敵ですよね。そういう小さなことに反応して一緒に楽しめたり共感できたりするというのは、とっても大事だなと思っています」鮫島先生は「小さな子どもたちに必要なこと」として次の3つを挙げています。ちウロウロできる)束縛でもない認め合う関係)こと(時に逸脱しながら遊びの世界が豊かに膨らんだり深まったりして創造性が育まれる)そして、「白い紙を前にすると、ドキドキ緊張したり、自分は下手だからと敬遠したりする子もいますよね。今日は安心して、無邪気に遊んでもらおうと思います」と前置きして、ワークの内容を説明されました。「『子どもの頃の遊びの地図』をつくります。うちの近くに小さい公園があったな、おばあちゃん家にはいろんな木の実があって楽しかったな、海に行って砂浜でお城をつくったな。小さい頃こんなことして遊んだな、というのを画用紙の上に再現しましょう。見て分かるようにつくる必要はありません。子どもの絵は、パッと見ても何だか分からないけど、よく聞いたら『あ〜』っていうことがありますよね」材料となるものは、さまざまな紙切れ、毛糸や布、海岸で拾った石と流木、雑木林に落ちていた木の枝……と、いろいろ用意されています。受講生は30分間、会場の中を自由に動き回って令和7年10月1日発行   第 735 号(6)

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