ん令和7年10月1日発行 楽しく歌おう わらべうた・こどものうた細田淳子先生(『会いたくなっちまったよ』動きと登場する動物たちの動きが連動しているという特徴があります。絵本が「こんにちは」と言えば、自分も「こんにちは」。ストレートに伝わる赤ちゃん絵本として知られ、4か月の赤ちゃんが反応したという報告もあるそうです。次は工作の時間。まず、幅1cmくらいの牛乳パックの切れ端を2つ折りにして、折った側をストローの上部に入れた切り込みに挟みます。まっすぐに挟んで、動かないようにテープをぐるりと巻いて止めます。「最後の仕上げがちょっと難しい。手前の1枚だけを根元から下に折ります。角度は右斜め30度。時計でいうと5時。反対側も同じで、残った1枚を右斜め30度に折ります。これを手の間に挟んで、力まないで軽く右手を前に出す」と言って、きむら先生が右手をスッと動かすと、竹とんぼのようにフワッと飛んでいきました。この後、「誰が一番飛んだかやってみよう」と作ったものをみんなで飛ばし、優勝者を決めました。工作の2つ目は、半分に折ったカードの下側の左右に、足のように洗濯ばさみをつけます。置くとカードが立つようにしたら完成。画用紙を持った両手をいったん近づけて左右に引くと飛び上がり、落ちてきたところをキャッチするトランポリンゲームです。工作の最後に、手作りのくす玉を引いて表彰式をしました。絵本『おそろしいよる』(すずき出版刊)の読み聞かせの後、もう1つの代表作『あらしのよるに』(講談社刊)の話になりました。この絵本は、オオカミとヤギの2匹は天敵なのに、嵐を避けて暗い小屋の中で姿が見えずに話しているとどんどん仲良くなっていってしまうというお話です。「続きを書くつもりはなかったんですが、面白いことが起きました。1巻目が出た時に、子どもたちが続きはどうなるかを想像して書いてくれるお手紙が来るようになったんですね。想像するってすごいことで、誰かが想像したことが未来をつくっていくでしょ。絵本の良さは想像することにあります」さらに2冊の絵本の読み聞かせポプラ社刊、『オオカミグーのはずかしいひみつ』童心社刊)の後、最後に、大人向け絵本『であえたことにありがとう』(世界文化社)の読み聞かせを行いました。「どんな人にプレゼントしても喜ばれる本にしたいと考えてつくりました。今日は皆さんに出会えてうれしかったです」。最後に工作のカメラで受講生の集合写真を撮り、講義終了となりました。 東京家政大学 名誉教授ものまでさまざまな歌詞があり、ジャンケンではなく引っ張り合いだったり足ジャンケンだったり、ゲームの要素にも違いがあるようです。歌詞の由来は、先生によると、花は女の子のことで、1匁もめ、つまり安く買えてうれしいといった意味だという説もあるそうです。「手遊び歌『お寺の和尚さん』はどうでしょうか。やってみましょう」ということで、受講生が一斉に歌い始めると……あれ?バラバラ?「〈花が咲いて〉の後、〈枯れちゃって〉って聞いて、『えっ』と思った人もいるんじゃないかな?」。15〜20年くらい前から、〈ジャンケンポン〉の歌詞の前に〈枯れちゃって/忍法使って空飛んで/東京タワーにぶつ細田先生は、保育者養成の音楽表現を35年ほど続けて、この春に定年退職されました。「音楽表現は歌うことと楽器遊びに大きく分かれます。この2つはつながっていますが、今日は歌についてお話しします」子ども向けの歌には、つくられた時代によって異なる名称があります。ドレミの音階が西洋から入ってくる前、江戸時代までは日本固有の音階が使われており、この時代は「わらべうた」。その後には「唱歌」「童謡」「子どもの歌」などが生まれました。このほか、あそび歌、外国の歌、アニメソングなどもあります。「現代の子どもの歌は、子どもに歌詞の意味をちゃんと伝えてイメージが膨らむようにして歌いましょう。でも、わらべうたは口伝えで伝承されてきたので、意味の分からないものがいっぱいありますよね。方言の要素もありますし、地方ごとに歌い方やメロディー、遊び方もちょっとずつ違ったりするので、それをいちいち説明する必要はないと思います。意味は分からなくてもいいので、日本語の音の面白さを楽しみましょう」例えば、「はないちもんめ」は、〈お布団ビリビリ行かれない〉〈お釜底抜け行かれない〉から〈鉄砲弾なし行かれない〉という工作による楽しいゲーム絵本の読み聞かせ第 735 号(4)
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