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きむらゆういち先生””令和7年10月1日発行 パネルシアターを使用した仏教法話 絵本が育てる子どもの夢 絵本・童話作家きむら先生は、高校生の時に絵本作家になりたいと思うきっかけがあり、その後、試行錯誤する中で23年間子どもの教室を開いていました。工作作家として工作の本もたくさん出版されているそうです。先生は、「実を言うと人前でしゃべるのが苦手」だからと、人前でしゃべれる人間に変身する儀式“から講義を始めました。「皆さんの協力が必要です。1・2・3と言ったら、思いっきり大きな声で『へんし〜ん』と叫んでください。1・2・3」「へんし〜ん!」(会場)「はーい。これでしゃべれる人間になったので、改めて僕の代表作『あかちゃんのあそびえほん』(偕成社刊)でご挨拶します。こんにちは〜」「こんにちは〜!」(会場)この本は、1988年に3冊同時発売し、37年間ずっと売れ続けて1500万部。ページをめくる『こぶたぬきつねこ』を歌って実演舞台“に、Pペーパーそれぞれの感覚で受け止めていただいて結構です」と前置きし、まず「仏教保育とは、仏教と保育という2つの概念を組み合わせた言葉です。一般にお寺が設置する幼稚園・保育園・認定こども園を仏教園といい、仏教保育とは、そこで行われている保育のことを言います」と説明されました。続いて、「仏教とは『仏陀』の説いた教えであり、仏さま・お釈迦さまというのは仏陀のこと」として、約2500年前に生まれた仏陀という実在の人物の生涯や、三仏忌の行事、教義の基本となる縁起説など、仏教について分かりやすく紹介。そして、仏教保育は「生命尊重の保育」であり、日常の保育の中で経験する植物の栽培や、小動物の生と死を通して、自分の「いのち」はもちろんのこと、自分以外の全ての人や生き物の生命の大切さを知ることの重要性を説かれました。最後に、「仏教保育は、子どもたちがより良く生きるための保育。そういう保育をしようという心を持った保育者の眼差しや言葉がけが少しずつ子どもに伝わり、生命尊重の保育につながっていくのではないかと思います」と髙山理事長は話し、「『月刊仏教保育カリキュラム』や『新わかりやすい仏教保育総論』などの教材を参考にしながら、各園で良い仏教保育を実践していただけることを願っています」と締めくくられました。 浄土宗大本山増上寺布教師会 会長後藤真法先生幼児教育において広く使われているパネルシアターは、パネル布(毛羽立ちのある布)を貼ったボードの(不織布)でできたキャラクターや背景など、さまざまな絵や文字を貼ったり剥がしたりしながらお話を展開していく表現方法です。後藤先生は布教師として法を説く機会が多く、日頃からパネルシアターを法話に使っているそうです。「パネルシアターの誕生は今からだった古宇田亮順先生が発表しました。不織布を見つけたことが古宇田先生の大発見だったんですね。厚みがあって、針と糸が使えて、表・裏が自在。これらが大きな特徴です。パネルシアター作家・実演者には素晴らしい先生がたくさんいます。また、今はインターネット上で作品を観ることができます。何とブラジルのサンパウロで古宇田先生がしている映像まで見つけました。本日のパネルシアターは、仏教にまつわるお話です」と、実演を始められました。後藤先生は、ボードに魚の切り身や頭と尾の絵を貼りつけたり、映画『いのちのたべかた』(食べ物が市場に出るまでの過程を食肉工場などで撮影した作品)の写真を貼りつけたりしながら、「小さい子は魚の切り身の形は知っていても、元はどういう姿で泳いでいるのかは分からない。自分が食べている物が元々どういう格好をしているのかを想像するのが難しくなっています。そのような状況では、『いのち』をいただいているという実感は生まれにくいでしょう」と話されました。それから、Pペーパーの絵や文字を貼ったり剥がしたりしながら、仏教説話やさまざまな仏教用語についてのお話がよどみなく続きました。「『仏・法・僧』に帰依すること。これは通仏教的に大事なこと。言い換えると、『明るく・正しく・仲よく』生きましょう。仏教園で一番大事なことと考えていいと思います。〈そうだうれしいんだ生きるよろこびたとえ胸の傷がいたんでも〉です(『アンパンマンのマーチ』より)。ご静聴ありがとうございました」髙山理事長による第一講義(3)第 735 号52年前。1973年に当時30代

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