202505
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をして、一度勉強するチャンスを与えてあげると、卒業後も働きながらトライして3年後、5年後に合格することもあります。学生募集には苦戦しており、新たな取り組みとして、本学の附属高校とは別に、近くにある私立の女子校と連携し、その保育コースに我々が通年で授業を持ち始めました。本学として、高校3年間と短大2年間で連続的に養成していこうと連携を進めているところです。高校のオープンキャンパスで、中学3年生に対しても同様の説明をして、早い時期に保育の楽しさを分かってもらい、本学への進学にまでつながればいいなと考えています。そのような中で、高校の先生たちは保育の現状を習熟した上で進路指導をしているわけではないようだということにも気がつきました。こども家庭庁が保育者の給料アップを図っていることすら伝わっていないようです。先生や保護者に、いい情報をいかに伝えていくかというのも、これからの課題になると思います。本学では、2年間の履修後、幼稚園教諭一種免許を取ることができる「専攻科」に進む学生が増えています。最近は15名の定員を超える希望があり、もう1年学んでから保育現場に行きたいというニーズが強くなっているという印象です。キャリア支援課チームリーダーをしております。本学の取り組みとしては、電話などでの学生への個別支援や、アンケートによる状況確認などを行っています。ガイダンスでは、問題のある人材紹介会社を使うことによるトラブルなどについても十分に話をしています。学生を園に紹介して高額の紹介料を取るというビジネスが最近増えているんですね。園に対して請求があった実際の金額例や、内定を断られたケースについて伝えたりしています。インターネットで園名などを検索すると、就職支援サイトに紛れて、そういった会社のページが上位に出てきてしまうので、学生はあまり考えずに登録してしまうようです。3か月後にお金がもらえるという派遣会社があり、3か月勤めたら次に転職してしまう、といった話も聞いています。本学では、2024年度より保育実習を4週間から3週間に短縮し、代わりに夏休み中に自由な期間で保育現場体験をさせることになりました。実際の体験を増やすことで学生の理解を深めたいと考えています。1年目は9割の学生が達成しました。学生にとって保育は魅力があると思うのですが、手取り賃金を考えるとアルバイトの方がいいのでは、という意見も聞きます。本給から差し引かれるものや昇給制度などが分かりにくいということもあるのでしょう。地域ごとの格差もあります。また、本学のある京都市に残っても、住宅手当が期限付きだと「切れたら辞めようかな」と言っている学生もいます。他府県から来て勤め上げるのは難しいという状況があるようです。就職活動の面では、学生はSNSなどウェブ系で探すので、約30校なんですね。定員を減らしても学生が集まらず募集停止となるところが出てきていて、これからその養成校の数も減っていくだろうという中で、学生や保育者をどうやって獲得するのか、各関係団体で考えていく必要があるだろうと思っています。これまでのやり方では不十分だろうという気がするんですね。それと、人材紹介会社が最近よく宣伝していますが、ああいうところには人材がいるんでしょうか。人材紹介会社の話は、いわゆる業者のことなんだろうと思います。いろいろな問題が起きていますので、本学では基本的に使わない、関わらないこととしています。多くの養成校がそうしているというのが私の認識しているところです。ところで、仏教保育の強みや大事なところは、全国に仏教保育の園があるということだと思います。養成校を卒業した後も人生は長いですから、いろいろな所に行く可能性がありますよね。仏教系の養成校を出たら、仏教保育者として全国どこに自分で探す面倒を引き受けてくれる業者に頼ってしまい、「一度登録するとなかなか抜け出せない」と学生が言っていました。実習・キャリアサポートセンターで副センター長をしております。就職・実習とあわせて学生募集も手伝うことがありまして、高校訪問などを通して、やはり保育を志す高校生が減ってきて、保育のクラスやコースがなくなったといった寂しい話を聞いています。説明会では、在校生に話をしてもらっています。現役の学生の声は高校生が興味深く聞いてくれるので、一定の効果が出ているのではないかなと思います。養成機関連絡協議会の名簿を見ると、登録されている養成校は鶴見大学短期大学部橋本弘道 先生鶴見大学短期大学部村田海 様華頂短期大学小川隆昭 先生こども教育宝仙大学吾妻昇 様大谷大学冨岡量秀 先生京都西山短期大学安藤和彦 先生令和7年5月1日発行第730号(2)

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