OECD出生率 (桑田)事務局会議年度末の3月を迎えました。各園では卒園、進級の準備に追われていることと思います。入園したては泣いてばかりだった子どもが、卒園式では園での思い出を立派にスピーチしたり、歌に乗せたりして大きく成長した姿を見せてくれます。その様子はこれまでの大変さを吹き飛ばしてくれることでしょう。年間を通じて園行事は多数あります。入園式から始まり、端午の節句、運動会、お餅つき、節分といった季節のイベントのほかに、花まつり、お盆、お彼岸、成道会、涅槃会など仏教園ならではの行事も多く行われていると思います。伝統行事ではさまざまな願いを込めて味わう食が楽しみの一つですが、近年、保育現場ではお餅つきや節分の豆まきなどの楽しみ方に変化が起こっています。乳幼児にとって餅や豆は喉に詰まらせる危険性が指摘され、テレビの報道番組などで広く注意喚起される場面が増えてきました。こうした中、子どもたちの安全に配慮しながら、伝統ある習慣をいかに次世代に伝えていくべきか考えていくことが求められています。昨今は豊かな想像力やコミュニケーション能力を引き出すとして、子どもの成長における体験活動の重要性が強調されています。時代に求められるリスク管理を徹底しつつ、四季折々の自然の美しさや実際に自分でやってみたからこその感動を思い出にできる充実した新年度を迎えられるよう願っています。2/6 関西地区連絡協議会2/7 「仏カリ」「仏教保育」編集会議2/20 養成機関連絡協議会2024年6月、OECD(経済協力開発機構)は、出生率などを分析した報告書『OECD図表でみる社会2024』をまとめました。OECD諸国において、出生率が過去60年間で半減している傾向などが分析されています。報告書によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は、1980年以降ほぼ全ての加盟国で低下。1960年には平均3・3人以上だったのに対し、2022年には1・5人にまで減少しており、人口を維持するのに必要とされる2・1を下回っています。日本の合計特殊出生率については、1960年以降、加盟国の平均を下回り続けています。厚生労働省によると、2023年は1・20で、前年の1・26より低下しており、8年連続の減少。出生数は、前年より約4万3千人(5・6%)減の約72万7千人で、統計のある1899年以降で過去最少となっています。また、OECD諸国の女性が子どもを産む年齢は遅くなる傾向にあり、日本の場合、2000年の29・6歳から2022年には32・2歳まで上昇し、OECD平均をおよそ1歳上回っています。さらに、同報告書は生涯子どもがいない女性の割合(生涯無子率)についてもまとめています。加盟国全体で増加傾向にある中で、日本は、1955年生まれの女性が12%だったのに対し、1975年生まれでは28・3%に上昇。合計特殊出生率が0・72と加盟国中最も低い韓国を2倍以上上回っており、加盟国の中で最も高い割合でした。この世代は日本の氷河期世代に当たります。60年間で半減令和7年3月1日発行 事務局日誌参考:「 society at a Glance 2024 - Country Notes:日本」https://www.oecd.org/ja/publications/2024/06/society-at-a-glance-2024-country-notes_d98f4d80/japan_e8ace1fa.html第728号(8)
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