202405
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「今求められる仏教保育の姿をさぐる」 公益社団法人日本仏教保育協会(髙山久照理事長)は、2月26日、芝パークホテルにて養成機関連絡協議会を開催し、「今求められる仏教保育の姿」について等のご提言をいただきました。今回は、養成校から8校9名、日仏保から6名、オブザーバーとして佐藤達全先生が参加しました。協議会終了後は、和やかな雰囲気の中で懇親会が開催されました。令和6年2月26日/芝パークホテル養成機関連絡協議会司会・進行を務める髙木常任理事が協議会の要旨を説明し、髙山理事長が次のように述べました。「能登半島地震において被災された皆様に心よりお悔やみ申し上げるとともに、少しでも早い復興を願っております。この1年間を振り返りますと、少子化の問題がさらに深刻さの度合いを深めているという気がしてなりません。保育現場にも大きな流れが届きつつあり、保育界は戸惑い、混乱しているというのが現状です。保育を目指す学生が減少しているという話もたびたび耳にしております。保育の質の担保、保育者不足といったさまざまな課題を抱えるなか、本日の協議会が有意義な情報交換の場となりましたら幸いです」以下、養成機関の先生方からのお話の要旨をお伝えします。先日、京都・滋賀・奈良の養成校の先生方に集まっていただき、この協議会のような話し合いの場を持ちました。これからは養成校が単独で取り組むのではなく、地域ブロックごとなどグループで集まって情報交換し、力を合わせて学生募集につなげていくことが必要ということで、今年度から開催しています。学生を取り合うのではなく、それぞれの学生の成長を皆で見守っていければと思っております。短期大学部としては学生募集を停止しており、この3月に送り出す170名の最終学年が最後の学生となります。本学では保育士資格と幼稚園教諭免許を全員に取らせるのは5年前にやめて、学生と保護者で選んでもらうようになっています。そのため、実習の途中でやめるという学生は激減しました。今年は150名の学生が実習を終え、資格・免許を取っています。ところで、「なぜ宗教系の保育園や幼稚園に配属するのか」というクレームが保護者から入ることがあります。丁寧にご説明すれば納得していただけるので問題はないのですが、今の保護者世代は宗教に触れる機会のない生活をしているのだなと感じています。学生への対応が難しくなってきて大学は苦戦していますが、文部科学省からも言われているように小中高でも学び方が変わってきています。皆さんのお話を聞き、養成校も何かしら教育のかたちを変えていく必要があると思っています。最近は履歴書を持っていくとすぐ採用され、養成校にも自分が選ばれたという実感なく入れてしまうところがあります。学生が自分の長所を見出したり、必要とされていると感じたり、得意なことを人に認めてもらったりといった「自分はかけがえのない特別な存在」だと実感できる機会が減っているのではないでしょうか。養成校と実習園が連携し、学生一人ひとりをよく見て、良いところを伸ばしていくことが重要ではないかと思います。本学は、学生数は何とか持ち堪えていると思います。ただ、京都西山短期大学安藤和彦先生京都華頂大学吉島紀江先生  5淑徳大学短期大学部清水将之先生(1)第718号華頂短期大学小川隆昭先生2024.May-第718号-

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