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仏教保育論からスタート教育の目的と児童の福祉『新わかりやすい仏教保育総論』の出版に接して安藤和彦先生 (京都西山短期大学客員教授)講師 同日の理事会・運営審議委員会に引き続き、第2回仏教保育研修会が開催されました。長年仏教保育に携わられ、昨年10月に発刊された『新わかりやすい仏教保育総論』の執筆者のお一人である安藤和彦先生を講師にお迎えし、ご執筆の内容とともに、仏教保育との関わりや仏教保育の重要性についてお話しいただきました。 令和5年度第2回仏教保育研修会   令和6年1月29日/東京プリンスホテル皆さん、こんにちは。今日は養成校の立場から仏教保育のお話をさせていただきたいと思います。最初に、私と仏教保育の関わりですが、もう何十年前になりますか、お世話になった学生のことで、実習先にこう言われました。「園児は仏さんの前で挨拶しているけど、実習生は何もしないで立っているだけだ」。学生は養成校で仏教学も含めていろいろ学んではいるけれども、それが生活の中に根付いていないではないかと。これを聞いて叱られたような気がしまして、私は何をやっているんだろうと思い直しました。そこで、保育実践に沿うような仏教が身に付く履修科目を学科全体でセットしました。それが「仏教保育論」です。どうなるか分かりませんでしたが、とにかくやってみる必要があるというところからのスタートでした。ことが大事だと考えて、京都にある仏教系の養成校に電話をして、学科全体、学校全体で同様の科目を作ってもらうようにしました。このようないきさつで、私なりに仏教保育を今までやってきました。ていません」と言います。きちんと知る前に、「そういうものとは関わりございません」と言ってしまう。ですが、せっかく仏教系の養成校に通っていたり、仏教園に勤めていたりしているわまずはそういう科目を養成校におく学生はよく、「私はどの宗教も信じけですから、まず、それぞれの宗教について学んでいただきたいと思っています。その上で、どの宗教を選び、どう歩むのか、という自分の「信仰」についての問いがあるのではないでしょうか。さらに、日本の文化には、「うちは〇〇教」と家の宗教が先に立ち、自分の信仰について考えにくいところがあります。個人の信仰というものが薄らいでいく、そんな思いがします。さて今日は、『わかりやすい仏教保育総論』が改めて『新わかりやすい仏教保育総論』として出版されたということで、そのお話をさせていただきたいと思います。レジュメにあるように、この本は第1講から第14講までで構成されています。各講それぞれに執筆者がおり、私は「第2講 を担当させていただきました。レジュメも、そのまま本の第2講の部分になっています。この第2講について、詳しくお話ししていきます。最初の項目は、「教育基本法の定める『教育の目的』」です。教育基本法では、教育の目的は「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」となっています。これを整理すると次の3つになります。1.人格完成2. 平和で民主的な国家及び社会の形成者の育成3. 心身ともに健康な国民の育成そして、幼稚園・保育所・こども園の目的は、学校教育法および児童福祉法において、それぞれ決められています。こども園の目的は、幼稚園と保育所の目的が合わさったものです。加えて、児童福祉法の理念は「児童の権利に関する条約の精神にのっとり」となっています。「児童の権利条約」ですね。また、原理の尊重ということで、「児童の福祉を保障する」ことが謳われており、児童に関することについては、幼稚園・保育所・こども園教育の目的と仏教保育」第717号(2)講師 安藤 和彦 先生(京都西山短期大学客員教授)

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