「生成AI」(ジェネレーティブAI)が急速な広がりをみせています。生成AIは、文章・画像・音楽・デザイン等をつくる新しいタイプのAI(人工知能)です。なかでも「ChatGPT」に代表される対話型生成AIは、あたかも人間と自然に会話をしているかのような応答が可能で、文章作成や翻訳の素案づくり、ブレインストーミングなど多岐にわたって活用されつつあります。こうしたメリットが話題にのぼる一方で、個人情報流出・著作権侵害・偽情報拡散等のリスクが指摘され、また「子どもが鵜呑みにするのでは」といった懸念の声があがっています。これまでは2019年に42か国が採択したOECDの「AI原則」が国際的な指針となっていました。しかし、生成AIの急速な普及に伴い、現在、「活用と規制のバランス」のとれたルールづくりに向けて、国連を含め全世界が動いている状況です。教育分野では、昨年9月にユネスコが教育・研究分野における生成AIのガイダンスを公表。「人間中心」の活用や、「学校の授業では13歳以上」という年齢制限などが提唱されました。これに先立ち、文部科学省は昨年7月、生成AIの利用について小・中学校向けのガイドラインを公表しています。学校関係者が生成AI活用の適否を判断する際の参考として、国の暫定的な考え方を示したものです。文科省はさらに、参加校を募り、生成AI活用のパイロット的な取り組みを進めています。生成AIは便利な反面、過度な依存は判断力を低下させるリスクがあるとされています。生成AIを使いこなすために必要な基本姿勢は、あくまでも「最後は自分で判断する」ことではないでしょうか。ルール整備による適切な利用の促進が望まれます。2024年もよろしくお願いします。日本仏教保育協会はお釈迦様の教えをもとにした、幼児教育、保育の団体です。文部科学省、こども家庭庁、いろいろな制度、幼稚園、保育所、認定こども園のへだてなく、誰でもが乳幼児の頃から仏教の教えを背景とした幼児教育や保育にふれることができるのです。またそれを通じて、仏教の儀式や行事、日本の伝統的な習慣などにもふれることができます。今年から「こども誰でも通園制度」が本格的に進められることでしょうが、仏保園は、「こども誰でも」が仏様に手を合わせる縁を作る尊い場所であると思います。仏様の心と保育、教育を切り結んでいけるように精進していきましょう。年々懸念が高まる気象の変化。今年の干支の辰は水を治める神様であり、また仏様を守る役割もあるそうです。水害や新しい災害にも備えなければなりません。また少子化に加え、保育者人口の減少も深刻です。ある先生が講演で言われました。「幼稚園や保育所は子ども不足でつぶれるのでなく、保育者不足でつぶれる」と。少子化と並行して、人手不足の深刻さを実感される日々ではないでしょうか。仏教保育の存続と、子どもたちの温かな居場所の確保、あそびの場の保障のために智慧を出し合い、実りと変化を併せ持ち、互いに支え合いたいものです。 事務局会議(五島)「生成AI」利用のルールづくり事務局日誌令和6年1月1日発行12/14 「仏カリ」「仏教保育」編集会議 第714号(8)
元のページ ../index.html#8