202312
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義の保母養成所設立/ホ、仏教保育事業功労者表彰/へ、研究図書等の出版/チ、その他仏教保育に関する調査等」が明記されていません。「保母紹介欄」本会事務所まで御申越しの程を」と「講師の派遣」本会事業中の一項目である保母の紹介欄を設置いたしました。確実信用あるもののみ取扱います。御遠慮なく御申込み下さいませ。遠近に関わらず、仏教主義の幼稚園託児所の童話会や遊戯の会または各種の保育研究講演等に、本会より責任ある講師を推薦派遣します。会員に限り謝礼を申し受けませんが、旅費宿泊料等の実費だけは頂戴致します。御希望の節は講師の都合上少なくとも二週間前に御申込み願います。会則に定める集会と支部「顧問会・評議員会・理事会・総会」を開き会務報告をなす」と、年に1「会員10名以上を有する地には本会の承認を経て支部を設けることができる」と規定されていますが、全国と会の決議によらなければ変更することはできない」と明記されています内容に話を戻します。まだ言及をしていない項目が3つありますが、これらが、日仏保の定款には記されていない仏教保育協会の特徴的な事業内容であるといえます。まず、「ハ、幼稚園託児所の経営相談」ですが、当時の機関誌『仏教保育』では、「幼稚園託児所の遊園経営に就て」(第2号)、「幼稚園管理の型二つ」(第4号)、「農繁期託児所経営に就て」(第5号)などの見出しが散見されるように、幼稚園や託児所の経営や管理の方法などがしばしば特集されていました。堀緑羊も、『仏教幼稚園経営法』や『理想の仏教保育』における大半が同様の内容で占められていたように、仏教の関係者による幼稚園や託児所が急増する中で、それらの開設や経営の具体的な方法に関する相談への対応も、仏教保育協会の事業内容として位置づけられていました。次に、「ニ、仏教主義の保母養成れてお話をしてきましたように、堀緑羊が協会の創設を提唱した大きな目的の一つであり、キリスト教主義の保母養成所の存在などが、事業内容として明記される背景としてありました。そして、この項目は、まだ具体的な計画もない協会設立の当初期から、会則に明記されていたのです。ところで、2021(令和3)年1月(第678号)の「仏教保育協会生る」という話題の中で触れました所設立」ですが、これまでも折に触が、協会が創設される頃に表明された事業内容は、「幼稚園託児所の経営相談」「教材の選択と供給」「講師の派遣と保母の紹介」「パンフレットの刊行」「研究会講習会等の開催」でした。「パンフレットの刊行」とありますが、「へ、研究図書等ノ出版」と重なる部分が多いと考えられるので、基本的には、設立当初から会則に示された事業内容に変化はなかったといえます。それでも、これまで話題にしてきた会則にありました「ニ、仏教主もしかしたら、新聞記事として書かれていたので、紙幅の関係で省略されたのかもしれません。しかし、協会が設立されようかという時期に、まだ創立委員会という意味合いの強かった段階での事業内容の表明としては、保母養成所の設立や研究図書等の出版といった大きな事業はまだ見通しが立たず、また仏教保育事業功労者表彰や調査等に関しても、組織ができて実際に動き出してからでないとわからないことが多いため、自ずから限定的だったと考えられます。最後に、「ト、講師の派遣保母の紹介」ですが、戦前の機関誌には、「保母紹介」と「講師の派遣」という欄が設けられ、それぞれ次のような内容が書かれていました(機関誌『仏教保育』第2号)。と記され、この後に「就職希望者」として、年齢や学歴、所属などをはじめ、保母に関する若干の紹介なども記され、「もし採用御希望者あれば、締めくくられています。このように、仏教園で実習をしている学生などを全国の会員に紹介したり、就職を希望する保母や、保母を採用したい施設に対して具体的な求人の内容や条件を募集したりすることへの対応も、協会の重要な事業の一つだったのです。と記され、会員であれば全国に実費負担のみの謝礼なしで、協会から講師を派遣するという事業も行われていました。もとに、特徴的な事業をまとめてきましたが、日仏保の定款には見られないまた、「講師の派遣」については、ここまで、仏教保育協会の会則を事業内容には、当時の仏教保育協会の特徴や独自性を見出すことができるのです。それでは、会則で残った第11条~合から、会則条文の転記は省略しますので、冒頭に掲載した原文をご参照ください。まず、「集会」に関して、第11条にの主に4種類あることが示されています。この中で、顧問会と評議員会に関しては、日仏保でも役職としては同様の名称や職務はありますが、集会としては存在していません。その一方で、総会は、第12条に「年1回総会回開催されることが規定されていますが、これは、日仏保でも毎年6月に社員総会が開催されていることと共通しています。そして、理事会については、仏教保育協会では、基本的に1月、5月、12月の年3回開催され、組織の動静や事業内容、夏期講習会といった重要事項などについて話し合われていました。日仏保では、年によって開催時期や回数に若干の変動はありますが、常任理事会が年11回ほど開催され、理事会に関しては、仏教保育協会と同様に年3回ほど開催され、1月と5月は同時期の開催となっています。さらに、開催場所に関して、日仏第14条を見ていきますが、紙幅の都保では、大本山増上寺や仏教伝道センタービルなど、基本的に定まった場所が多いですが、仏教保育協会では、夕方から夜にかけての時間帯に、理事などの役員が関係する幼稚園や時には飲食店で開催されることもありました。次に、「支部」に関して、第13条にいう規模でいえば、このような条文に関して本格的な動きが見られるのは戦後になってからといえます。最後に、第14条には、「本規則は総が、これは日仏保の定款の「第9章 定款の変更ならびに解散」で「定款を変更するときは、第28条第2項に規定する社員総会の決議をしなければならない」(第50条)と同様の規定となっています。以上、仏教保育協会の会則の全体を見てきましたが、この中には、協会の名称や組織構造をはじめ、その目的や事業内容、役員構成など、日仏保の定款と共通する規定が多くありました。そして、定款と同様に仏教保育協会の基本となる大切な決まりごとが書かれている会則は、当時の協会の特徴や特性を知るための重要な存在であるといえるのです。次回は、はじめて開催された「仏教保育夏期講習会」についてお話しする予定です。令和5年12月1日発行                 第713号(4)

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