はじめに「仏教保育協会会則」正)」とありますように、会則自体第五条 めに逐次左の事業を行う育事業の科学的研究、実際的指導及び事業関係者の連絡統一を計る」と会則に定める事業内容本会は前条の目的達成のたイ、研究会講習会等の開催ロ、保育教材の選択とその供給ハ、幼稚園託児所の経営相談 ニ、仏教主義の保母養成所設立ホ、仏教保育事業功労者表彰へ、研究図書等の出版 ト、講師の派遣保母の紹介 チ、その他仏教保育に関する調査等仏教保育協会の会則に関しては、これまで「仏教保育協会と各宗派との関係性」と「仏教保育協会の目的」と題した話題の中で複数回、その内容を取り上げてきました。しかし、まだ言及できていない条項がありますので、今回は、会則で残った条文についてお話しします。協会の会則は、これまで転記したり一部の原文を掲載したりしてきましたが、ここでは、それらを含めた会則の原文全体を掲載します。会則の冒頭に「(昭和6年1月改 は、1931(昭和6)年1月以前に定められたもので、記載当時までのおよそ2年間は会則が変更されていないことがわかります。会則の具体的な内容につきましては、これまでの機関紙『仏教保育』の中では、「第6条~第10条」(第689703号)とで言及してきました。そのため、今回は、残った会則の「第5条」と「第11条~第14条」についてお話しします。「第5条」から見ていきます。いう仏教保育協会の目的を達成するために、逐次実行していく事業が列挙されています。号)と、「第1条~第4条」(第まず、「第2章 目的及び事業」のこの第5条には、第4条の「仏教保研究会講習会等の開催」と「二、仏書等の出版」と「四、機関紙、研究誌関する調査等」と「一、幼児教育の内「ロ、保育教材の選択とその供給」は現在の日仏保の定款でも、「第2章 目的および事業」の「(事業)第4条 この法人は、前条の目的を達成するために、次の事業を行う」は、会則と同じような表記となっていて、6つの事業(一、幼児教育の内容、指導方法等の調査研究 関係者の現職教育 指導者を育成するための研究会、講演会等の開催 四、機関紙、研究誌等の刊行 五、内外の保育関係機関等との連絡提携 人の目的を達するために、必要な事項)が明記されています。会則と定款を比べますと、「イ、教保育関係者の現職教育/三、幼児教育の指導者を育成するための研究会、講演会等の開催」、「へ、研究図等の刊行」、「チ、その他仏教保育に容、指導方法等の調査研究/六、その他、この法人の目的を達するために、必要な事項」の3つが表記からわかる共通した事業といえます。また、文言は異なっていますが、「四、機関紙、研究誌等の刊行」における「等」に含まれる内容と考えられます。協会の創設期ですから、現在のような決まった定期刊行物があるとはいえませんが、日仏保における、絵本「こどものくに」、「ほとけの子」、研究誌「仏教保育カリキュラム」といった刊行物のような位置づけであったといえます。そのため、会則にある8つの事業のうち、日仏保の定款で記されている事業と共通した内容が半数を占め、定款において、「五、内外の保育関係機関等との連絡提携」を除く5つ二、仏教保育の事業が共通しているように見えま三、幼児教育のす。しかし、会則で明示されてはいませんが、これまで「仏教保育協会と各宗派との関係性」の話題の中で触れたように、仏教の各宗派の組織をは六、その他、この法じめ、地方団体や保育関係企業などと連絡提携も行っていました。そのため、個別具体的な内容に相違はあっても、定款に示されているほぼすべての事業が仏教保育協会の会則に定める事業内容と共通しているのです。さらには、会則の「ホ、仏教保育事業として「持田賞」や「古屋賞」、「日本仏教保育協会賞」などを設けていることに通じているといえます。ただし、この功労者表彰は、その後、1934(昭和9)年7月に示された会則の中では明記されず、事業内容から削除されています。なお、この時、会則で変更があったのは2ケ所で、もう1ケ所は、第3条における協会の本部が、「東京市中野られたことでした。この場所は、感応幼稚園(現在の宝仙学園幼稚園)の住所で、会則が改正された頃に、幼稚園内に仏教保育協会の本部が移転されたということになります。さて、当初期の会則における事業事業功労者表彰」は、日仏保の奨励区宮前町四十八番地」の住所に改め佐藤成道《日仏保の歩み⑳》―戦前編「仏教保育協会の事業内容」―アジア国際社会福祉研究所リサーチ・フェロー/曹洞宗 常仙寺副住職 淑徳大学「仏教保育協会会則」(機関誌『仏教保育』第2号 1933年1月1日発行より)(3)第713号令和5年12月1日発行
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