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子どもの自殺が過去最多に※イノチェンティレポートカード16「子どもたちに影響する世界 の子どもの幸福度を形作るものは何か」3月に厚生労働省および警察庁がまとめた「令和4年中における自殺の状況」において、昨年中に自殺した子どもが過去最多となったことが分かりました。昨年中に自殺した小中高生の数は514人。新型コロナウイルス感染症が拡大した2020(令和2)年の499人を超え、初めて500人台となりました。1980年の統計開始以来、過去最多だそうです。その内訳は、小学生自殺者の総数は2万1881人でした。死因の国際比較でも、日本は10代の死因の1位が自殺というデータもあります(厚生労働省「自殺対策白書」)。日本の自殺者数の多さは世界でも有名ですが、子どもまでとなると、一体どう考えたらよいのでしょうか。世界的にみれば、一般に日本の子どもは「幸せそう」に見えるでしょう。実際、ユニセフ・イノチェンティ研究所が2020年に出した「先進国の子どもの幸福度」に関するレポート※では、日本の子どもの「身体的健康」は38か国中1位となっています。一方で、生活満足度と自殺率を指標とする「精神的幸福度」は37位、つまり最下位から2番目という両極端な結果が表れました。また、日本では「困った時に頼れる人がいる」という子どもが少ないことも示されています。同レポートは、「子どもや若者のメンタルヘルスについ          て真剣に考えなくてはならない。精神的健康も身体的健康と同じくらい重要だと、人々が意識を変えること。それが行動を変えていくことにつながるだろう(要約)」と記しています。先進国お釈迦様は「すべてのものは変化の中にある」と悟られましたが、近年の保育園、こども園、幼稚園を取り巻く環境の変化には、お釈迦様も苦笑いではないでしょうか。我が園でも少子化による園児減少に悩まされています。20年前は何もしなくても、園児募集の日には門の外に希望者が夜明け前から並んでいました。その時にはそれが「あたりまえ」と思っていた自分ですが、今はどこで園の宣伝チラシを撒こうか……などと考えます。大きな変化です。この変化の訪れは地域、時間の軸を経て、お釈迦様のみ教えの通り私のところへやってきました。大正大学客員教授、ジャーナリストの河合雅司さんの著書『未来の年表』には、「深刻な2025年問題」「人口の半減」が示され、変化と不都合な事実がとめどなく溢れてすがすがしいくらいです。そしてその大きな原因である少子化。これに立ち向かうべくこども家庭庁は発足しました。「少子化社会対策基本法」の第11条、第1項、2項「保育サービスの充実」には保育所やこども園、幼稚園の役割が名指しで述べられています。施行までにモデル事業も始まっていきます。仏教保育園の展開する保育教育事業にどのような変化をもたらすのでしょうか。「変化が真実である。」お釈迦様の教えとして、このことをどのように受け止め、歩んでいくのか考えさせられます。5/9 令和4年度業務・経理監査会    「仏カリ」「仏教保育」編集会議    事務局会議(WEB会議)5/24 第29回理事会・第22回運営審議委員会(五島)事務局日誌令和5年6月1日発行17人、中学生143人、高校生354人。なお、昨年中の第707号(8)

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