コロナ禍の残した爪痕菩提樹学園 45周年へ失われた1年5か月公益社団法人日本仏教保育協会(髙山久照理事長)は、12月1日、同協会本部事務局において、公益財団法人国際仏教興隆協会から佐藤雅彦事務総長、総務局・大工原彌太郎氏、オンライン出席の事務局員1名を迎え、菩提樹学園運営委員会を開催しました。本委員会では、インド・ブッダガヤの日本寺境内に設立された無料の保育施設「菩提樹学園」の運営について、この1年間の活動や、新型コロナウイルス感染症による影響などについての報告があり、今後の支援・対応等について協議されました。インドにおける新型コロ■出席者名簿(敬称略)(公財)国際仏教興隆協会大工原彌太郎2廣石香里佐藤雅彦樋口威道桑田則行髙木正尊髙輪真澄髙山久照 (公社)日本仏教保育協会昨年度の本委員会では、菩提樹学園の運営がようやく再開されたとの報告があり、参加者一同、安堵したところでしたが、インド政府が2020年から新教育指導要領をスタートしたことと相まって、長期休園の結果、カリキュラムの消化や進学など学習面は今もって厳しい状況とのことです。また、2021年度の卒園児はは36名でした。インドの他の地域でもそうですが、コロナ禍の中で職を失うなど様々な状況から、家族もろとも姿を消してしまうケースが多発。長かった閉鎖の間に引っ越した子、働きに出された子、名目的に嫁に出された子、失踪および一家ごと行方不明になった家庭の子など、菩提樹学園では16名がクラスからいなくなってしまいました。一方で、現在、感染者数については増えておらず、マスクの着用についてもインドでは日常の風景ではなくなっているとのことです。児の健康問題。休園明けの2021年10月に実施された健ナウイルス感染症の流行は、2020年1月28日のムンバイ市における最初の感染者確認から瞬く間に全州全地域に拡大しました。現地行政は地域封鎖(ロックダウン)等の行政措置の発令・解除を繰り返し、この影響を受けた菩提樹学園では、2020年3月末~2021年8月末という、約1年5か月間にわたる麻痺状態に陥りました。短期間の封鎖解除時にできたことは家庭訪問や食糧支援が精一杯。保育・教育活動を行うことはできませんでした。学園の運営は2021年9月に再開したものの、年長児については本来であれば2年間の園生活を送るところを、約5か月半で卒園・進学の道筋をつけなければならないという異常事態。この年の全卒園児20名はかろうじて進学が叶いましたが、あとには通園経験5か月半の新・年長児が残されました。課題となっているのは、園令和4年度菩提樹学園運営委員会令和4年12月1日/日仏保本部事務局(1)第703号令和5年2月1日発行20名ですが、元々のクラス人数2023.February-第703号-
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