202210
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真言宗豊山派 華蔵院 住職写仏講座 講師昭和女子大学 教授 言語聴覚士 木下榮弘先生石井正子先生仏様との会話写仏インクルーシブ保育を有意義なものにするためにしょう。すると、その子も安心して先生に心を開いてくれます。・保護者や職員同士悪口を言わない。陰口を言わない。仕返しをしない。人間として当たり前のことです。しかし、あなたは菩薩でもあるので、肝に銘じて下さい。保護者と接するときには、恐れない、怖がらない、そして焦らないこと。何か言われても即答する必要はありません。しっかり受け止め「そうお考えだったのですね。分かりました。園で話し合ってからお声かけします」と伝えましょう。新型コロナ感染症への対策がとられた今夏の講習会では、受講生が参加する歌唱や運動の講義はありませんでしたが、参加者全員で写仏に取り組みました。木下先生は、まず仏様の形について説明をされました。・如来悟りを開いた形。基本はお釈迦様が悟りを開いた坐禅の形。・菩薩如来になるために修行をしている形。お釈迦様がまだ王子の頃の姿とする説があり、アクセサリーを身につけている。今日、写仏する観音菩薩の宝冠には、阿弥陀如来の化仏が描かれています。・明王修行する者の煩悩を焼き払う炎を背負い、抑えつける剣を持っています。・天部如来や菩薩、明王が修行をしているまわりでそれを助ける役割を担っています。木下先生自身が初めて写仏に取り組んだときのことを語ってくださいました。「仏画とは専門の方が描くものと思っていましたから、自分でも仏様が描けるのかと驚きました。最初は描ききるぞと意気込んでいましたが、だんだんとその気負いは消え、描き終えたときには仏様が微笑んでいると感じられた」堂内はシンと静まりかえりました。「無言でいる。無音の中にいる。この30分間は貴重な経験だったのはないでしょうか? 苦痛や葛藤もあったでしょう。そうした心の動きは描いた仏画にも表れる。何度も描いてみてください。それが仏様との会話なのです。そして、子どもと接するときもまた同じ。できるだけ何度も対話をしてみましょう。今日のみなさんの絵の線を見ると、どれもしっかり描かれています。とても安心しました」約30分間の写仏の間、大きな講英語の「エクスクルージョン(排除)」の反対語が「インクルージョン(包摂)」。そこから「ソーシャル・インクルージョン」という言葉が生まれ、SDGsの「誰1人取り残さない」に重なる理念です。「インクルーシブ」は「包み込むような」「仲間外れにしない」「みんな一緒に」を意味します。「インクルーシブ教育」は、障害のある者と障害のない者が共に学ぶことを通して、共生社会の実現に貢献しようという考え方です。2006年の国連総会で採択された障害者の権利に関する条約で示され、日本でも2011年に障害者基本法が改正され条文化されました。石井先生は、30年に渡り保育士の養成にも携わって来られました。その間、多くの園にも足を運び、障害者保育・統合保育の現場に関わり、自身の研究テーマでもあるインクルーシブ保育にも豊かな知見をお持ちです。今回は「インクルーシブ保育とは何か」に始まり、実際の保育の現場ですぐに実践できるヒントも数多くお話ししてくださいました。まず、統合保育とインクルーシブ保育の違いとは何か。一般の保育は、年齢ごとの発達に合わせた教育課程や保育プログラムを作ります。そこに障害のある子どもを〝受け入れる〟のが従来の統合保育。インクルーシブ保育は、障害の有無に関わらず、さまざまな子どもたちができる限り一緒に生活し、行動を共にする。その1人1人のニーズを把握し、それぞれが自己を充分に発揮し、自発的に行動できるよう支援する。「いろいろな子がいて当たり前が前提です。これは障害の有無だけではなく、外国にルーツを持つ子ども、家庭の中に課題を持つ子ども、また発達の特性が定型的なものとは異なる子どもなども含まれます。それぞれの地域には、社会の縮図のようにさまざまな子どもたちがいる。その子たちが園の中で一緒に毎日を送り、そして一緒に暮らしていける未来につなげるのがインクルーシブ保育です」いろいろな子がいて当たり前。木下先生による第二講義石田先生による第三講義令和4年10月1日発行第699号(6)

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