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公益社団法人日本仏教保育協会(髙山久照理事長)は7月21日・22日の両日、大本山増上寺光摂殿講堂において、東京仏教保育協会のご協力を得て、標記講習会を実施しました。今号では2日目の3つの講義と閉講式をレポートします。主催:公益社団法人日本仏教保育協会 実施:東京仏教保育協会令和4年7月21日・22日 大本山増上寺光摂殿講堂 妙福寺保育園 園長立正大学子ども教育福祉学科 非常勤講師~法華経の心を保育に生かす~戸田了達先生菩薩の自覚第88回夏期仏教保育講習会開催冒頭に受講生同士で「幸せとは何か?」「幸せと思うときはいつか?」を話し合うことで、講習は自ら考え、深く理解するものとなりました。「仏教とは〝人はどう生きるのか〟という教えなのです。仏教の教えを通じて、子どもたちも私たちもみんなが幸せになる道を作っていくのが仏教保育です。幸せはひとりで感じるだけでなく、誰かと分かち合うことで、幸せになる、生きていくことが可能になる。なぜなら共感・信頼・尊敬によって自分が大事にされていると分かったとき、人は安心したり幸せを感じたりできる。幸せに生きていくためには、人間関係は重要な要素なのです」戸田先生は、人間関係とは、お金や地位や名誉で得られるものではなく、誰かと挨拶を交わして感じる〝大切にされている〟という安心感を生む関係だと説明します。「この互いの共感がピタッと合わさることは望めません。人間はみんな違う。自分の気持ちを100%理解してくれる人はいないのです。人と人が出会ったとき、互いに緊張していれば笑顔は出ません。笑わない相手を、怖い人、冷たい人と思って自分も心を閉ざしてしまう。その人を避け、陰で悪口を言ってしまうかもしれない。なぜなら、あなたは〝私を大切にして欲しい〟と願っているから。でも、実は相手も同じようにそう思っていることに気づかないといけない。幸せで安らかな生き方を望むなら、良い人間関係をあなた自身が作ってください」そのためには、「笑顔」の挨拶を自分から差し出すこと。相手の緊張を和らげ、安心して生活できることを願い、その結果、最後に自分も安心で幸せな生活ができれば良いと思えるようになること。そういう気持ちで生きる人が「菩薩」であり、人はみな菩薩であると『法華経』には書かれていると説明します。・衆生救済菩薩という言葉は、悟りを開いた人と、悟りを求める人との2つの意味で使われます。菩薩の役目は衆生(すべての人)救済(悟りへ導く)です。菩薩は人の心の中にある仏の種を開かせて、ハスの花を咲かせます。誰もが菩薩である私たちにもそれができるのです。・自利利他他の人のために何かするということが、自分にとって一番の喜びとなるという意味。利他とは、相手を安心させる。相手を幸せにするということ。そのためには相手に寄り添うこと。身近な「幸せ」を仏教的視点で捉え直した上で、戸田先生は保育の現場へと目を向けます。「保育とは保護(養護)と教育が合わさった言葉。乳幼児には教育だけではなく保育が必要なのです。法律でもそう書かれていますが、自利利他=人に寄り添うことは、保育で一番大切な〝乳幼児の保護〟と重なります。つまり、私たちが携わっている保育とは、そのまま菩薩の修行だということを知っていただきたい」最後に保育の現場で、菩薩の自覚を持ち、『法華経』の教えを生かしていく実践方法を話されました。・自分笑顔を差し出す。保育者にとって笑顔は大事です。お経には「人はみんな松明だ。その松明から千人が火をもらっても、元の松明は変わらない。たくさんの火を与える人になれ」と書かれています。・子どもありのままを受け止める。レッテルを貼らない。意識的に良い面を見るようにする。好きだな、かわいいなと思うことで、自分の心もその子に寄りそうようになり、その子のことを分かろうとするで戸田先生による第一講義(5)第699号令和4年10月1日発行

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