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編集後記4月₁₀日は﹁きょうだいの日﹂米国では4月10日を「シブリング・デイ」と呼びます。「シブリング」とは、「兄弟姉妹」に男女の性別や年齢の順をつけない言葉です。シブリング同士の関係を祝う日として1998年から全米各地に広まり、現在では₄8州で公式の祝日とされています。互いにギフトやカードを贈りあい、その関係を祝います。日本でも平成31年4月、一般社団法人日本記念日協会によって「きょうだいの日」が認定・登録されました。米国の「シブリング・デイ」の伝統にならうものではありますが、少し広い意味を持つ活動が背景にあります。日本の医療・教育現場では、病気や心身の障害のある子どもの兄弟姉妹を「きょうだい児」「きょうだい」と呼ぶことがあります。心身の苦労を持つ家族の身近で成長する「きょうだい児」には、家族への気遣いはもちろん、自身にも特有の悩みや葛藤があることが70年代から注目されるようになりました。「自分は後回しにされている」「自分も可愛がってもらいたい」。そうした気持ちを抱えつつ、それを表に出せない。それを我慢し、人によっては自分でも気づかないまま苦悩を隠し持って成長し、大人になってからも「生きづらさ」を感じてしまうことへの社会的関心が徐々に高まっています。「きょうだいの日」制定に尽力したのは、こうした「きょうだい児」のサポートを続けてきたNPOです。病気や障害を持つ子どものケアに追われる親や関係者のそばで悩みを抱えている「きょうだい児」の存在を知ることで、多くの人が関わり、支え、心の安心感を持ち、自分を大切に感じて暮らして行ける社会を広げて行く。そうした活動や呼びかけを続けています。4月10日は、身近にいるかもしれない「きょうだい」のことを考えてみる日にしていきましょう。この原稿を書いているのは2月中旬、中国・北京オリンピックの閉会式前日です。この大会で印象的だったのは、フィギュアスケートの羽生結弦選手が、今までに誰も飛ぶことのできなかった4回転アクセルを飛びたい理由を語る記者会見でした。「僕の心の中に"9歳の自分"がいて、あいつが﹃飛べ﹄ってずっと言ってたんですよ。ずっと﹃お前下手くそだな﹄って言われながら練習していて。でも今回のアクセルは何かほめてもらえたんですよね。﹃一緒に跳んだ﹄というかー」。幼少期の体験がその人の人生に大きく関わることを、改めて感じます。大会に出場しメダルを獲得した選手の多くも、幼少期からオリンピックに出場しメダルを獲得することが将来の夢だったことを繰り返し語っていました。ある寺院の伝道掲示板に、﹃あらゆる未来の花は今日の種の中にある﹄と記されていました。どの選手も、突然活躍ができたのではなく、日々の努力と夢に向かう気持ちによって成長し、今日を迎えています。4月は、新しい園児たちを迎える季節です。子ども達は、未来に何色の花でも咲かせられる無限の可能性を秘めています。子ども達が未来の花を信じ、種をまき続ける充実した今日を過ごせるよう、私達にはその手伝いをする役割があると深く考えさせられました。3/3 教材開発委員会3/7 「仏カリ」「仏教保育」編集会議事務局会議(WEB会議)(桑田)事務局日誌仏教保育綱領〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-4TEL 03(3431)7475・FAX 03(3431)1519発行人 髙山久照 編集人 桑田則行毎月1回1日発行 (1部300円税込)慈心不殺 生命尊重の保育を行なおう仏道成就 正しきを見て絶えず進む保育を行なおう正業精進 よき社会人をつくる保育を行なおう令和4年4月1日発行第693号(8)http://www.buppo.com/公益社団法人 日本仏教保育協会

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