■第682号■はじめにでは、日本仏教保育協会各宗保育連盟などの歴史は、取り扱わない。」としながらも、この一文教保育協会は、昭和3年秋、(中略)各宗の助成のもとに東京で結成された。」と書かれていて、即位式大典を記念して、仏教保育協会が結成された。」と書かれて《日仏保の歩み⑩》―戦前編「「1929(昭和4)年」という創立年の登場」―佐藤成道 1 仏教保育協会は、1928(昭飾郡寺島町玉ノ井にあった玉井閣に事務所を開設したことで創立し、同年10月には昭和天皇の御大典記念事業として東大仏青会館で発会式が行われました。その一方で、令和時代の御大典が行われた2019(平成31年/令和元)年には、11月18日(月)に東京プリンスホテルで「創立したが、同年から90年を遡ると、仏教保育協会の創立は「1929(昭和4)年」ということになります。つまり、仏教保育協会の創立の淑徳大学和3)年7月に当時の東京府南■アジア国際社会福祉研究所リサーチ・フェロー/曹洞宗「1928(昭和3)年」と「1929(昭和4)年」という「1929(昭和4)年」が浸透「日仏保の歩み」からすれば比較「1929(昭和4)年」という和4)年」という年時が日仏保で時期をめぐって、実際には2つの年時が混在しているのです。しかし、協会の創立年としてしてきたのは、実はいまから四半世紀ほど前のことで、戦前からの的最近のことです。本号から2回にわたって、さながら「戦後編」ともいえる内容ですが、実際には「戦前編」として、仏教保育協会の創立年をめぐる表記の変遷をたどります。今回は、創立年として2つの年時が混在している現状と年時が戦後に明文化されて登場するまでを、次回は「1929(昭浸透してきた経緯についてお話ししたいと思います。なお、機関紙『仏教保育』などからの引用にあたっては、漢数字をアラビア数字へ、旧字体を新字体へと変更するなどしておりますことをお断りしておきます。2021(令和3)年3月29日(月)にリニューアルされました日仏保のホームページにおける「日本仏教保育協会について」の「協会概要」では「昭和4年に仏に同じ項目内の「あゆみ」でも「昭つまり、日仏保では「1929(昭和4)年」を仏教保育協会が発足した年時としているのです。これは、これまでお話ししてきた内容と矛盾しているように見えるかもしれません。しかし、必ずしもそうとは言い切れないところが、仏教保育協会の創立時期をめぐる複雑な事情でもありますが、これに関しては次々回から詳しくお話をする予定です。さて、保育、仏教、仏教教育、仏教社会福祉などの関連分野を中心に、仏教保育協会の創立に関して言及のある辞典や事典、書籍常仙寺副住職 「1928(昭和3)年」と「1929(昭和4)年」教系幼稚園、保育園及び養成機関の全国組織として発足」、さら和4年 御大典記念事業として発足」と書かれています。を見てみますと2つの年時が混在しています。これらのほとんどは年のみで月日までは書かれておらず、日付まで正確に明示しているのは1、2を数えるくらいです。そして、2つの年時に関して、日仏保が編集した書籍も例外ではありません。『仏教保育講座 仏教保育の基本原理』「第9章 仏教保育の歴史/第3節 保育の歴史」には、「なお、本稿に付した注釈の中で、「日本仏「1928(昭和3)年」という年のみならず「秋」という具体的な季節にまで言及されています。その一方で、同じく日仏保が編集した『改訂 保育総論』「第11講 歴史」には、「1929年の天皇います。つまり、日仏保が直接的には関係していない出版物はもちろんのこと、日仏保が編集している書籍でも、仏教保育協会の創立年として「1928(昭和3)年」と「1929(昭和4)年」という2つの年時が併存しているのが現状なのです。仏教わかりやすい仏教仏教保育の (1)第682号90周年記念式典」が開催されま令和3年5月1日発行仏教保育2021.May5
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