ス編集後記〝医療従事者など〟にエールの拍手世の中に存在している様々な「音」。「音」は、何かの「記憶」と密接に結びつくことがあります。そうした音と記憶の結びつきに着目した、一風変わったアンケート調査があります。多くの人が共有している1年を象徴する印象に残った音を調べる「心に残った音トップ10」。例えば、2019年の第1位は「ラグビーワールドカップで日本代表がグループリーグを突破した瞬間の歓声」でした。により閑散とした繁華街・観光地などの静けさ(第1位)」「テイホームにより今まで気づかなかった鳥や虫の鳴き声などの自然音(第9位)」など、ほとんどがコロナ禍に関するもので占められました。その第3位には「医療従事者などへの感謝とエールとして世界各国で行われた拍手」がランクインしています。コロナ禍が続く中で過酷な状況に対峙する人々、特に〝エッセンシャルワーカー〟(日常生活において欠かせない医療・介護・保育・物流・交通・清掃などの分野で働く人)と呼ばれる人々への応援・感謝を表すために、世界各地で行われているエールの拍手です。決まった時間に一斉に拍手したり、応援動画やメッセージを送ったり、エールを送る方法は様々。ある病院では、院内感染に苦しむ中、「頑張れ、〇〇病院〈地元有志一同〉」と書かれた横断幕を掲げてもらったことが、本当に職員を支える力になったといいます。そのほか「無観客試合」「ウェブ会議の会話」「咳」「体温計」…と、今回はどれも〝静けさの中に響く音〟のようなものでした。2021年の「心に残った音」には、もう少し賑やかな音がランクインするでしょうか。4月を迎え新年度が始まります。新しい環境の中で、入園進級式、花まつり等々の行事が行われ、子どもたちから目が離せないことと思います。昨年4月は非常事態宣言が発令され、各園での様々な運営に関して影響を及ぼしました。一年が過ぎた今においても、まだまだ予断を許さない状況には変わりありません。振り返れば当初、新型コロナウイルスの感染拡大はいつになったら収束するのか、あるいはさらに拡大するのかと思いを巡らせることが多かったように思います。しかし、私たちは医療関係者でも学者でもないですから、根拠を元に予測することはできませんし、それは私たちの仕事でもありません。見通せない先のことを心配するより、その場に応じた工夫を考えられる適応力が重要だと思えるようになりました。季節が一巡した今年は、昨年より落ち着いて、その都度適切な園運営、クラス運営の仕方を考えることができるのではないでしょうか。新しい生活様式の中で制限がかかることももちろん少なくありませんが、反対にこれまで見逃してきた細かなことに気を配れるようになってきた面もあるかもしれません。園には毎日子どもたちが登園してきます。その子どもたちに対して何ができるのか、どうこたえていくのか、それを模索することが大切であると思います。 (桑田)3/8 「仏カリ」「仏教保育」編集会議事務局会議(WEB会議)事務局日誌令和3年4月1日発行10回目を迎えた2020年末の調査結果は、「緊急事態宣言第681号(8)仏教保育綱領〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-4TEL 03(3431)7475・FAX 03(3431)1519発行人 髙山久照 編集人 五島 満毎月1回1日発行 (1部300円税込)慈心不殺 生命尊重の保育を行なおう仏道成就 正しきを見て絶えず進む保育を行なおう正業精進 よき社会人をつくる保育を行なおうhttp://www.buppo.com/公益社団法人 日本仏教保育協会
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