2021-2022
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新春のご挨拶■第690号■謹んで新春のお慶びを申し上げます。令和4年が皆様にとりましてより良い年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。第36回全国仏教保育子どもたちに豊かな地球を北海道大会つなぐキャンペーン公益社団法人日本仏教保育協会理事長 髙山久照ようやくコロナ禍の出口が見え始めましたが、この間、子どもたちの心身への影響はどのようなものだったでしょうか。マスク、手指消毒の励行、衝立で仕切られた机での会話無しの食事、といった園生活を送ってきた子どもたちは、一見その状況に順応しているように見受けられました。このことは子どもたちの状況に対する適応力の一端であると言えるでしょう。しかしながら、本来の子ども同士の触れ合いなど、自然なコミュニケーションの機会が狭められたことも事実です。コロナ終息を見た折には、豊かな触れ合いを存分に経験させ、子どもたちの育ち合いをしっかりと見守りたいものです。また、コロナ禍において保護者と保育者、さらには保護者同士の関係性にも、少なからず影響が出ていると感じている方は少なくはないでしょう。行事の縮小などにより、コミュニケーションを十分に取れない期間が長く続きました。保護者の心に寄り添い、園と保護者や、保護者同士をつなぐサポートをすることがより一層大切になってくるでしょう。なお、インドブッダガヤにおいても昨秋には感染者が減少し、長らく閉鎖されていました菩提樹学園の保育が再開し、園児たちの園生活が戻ってまいりました。7月には4年ぶりに全国仏教保育大会を北海道札幌市で開催致します。本来一年おきに開催していた全国大会ですが、令和2年は東京オリ・パラ開催のため実施を見送り、令和4年の開催としたところです。新型コロナウイルスの感染者は減少傾向にあり、大会への影響は薄れているように考えられますが、全ての不安が払しょくされることは難しい現状です。しかしながら、北海道大会実行委員会の先生方からは、あらゆる状況を想定しつつ準備を進めていると心強い報告を受けております。「連なる生■■命―共に生きることの喜び―」をテーマとする今夏の大会において、是非多くの皆様の御参加を頂き、仏教保育の意義を大いに語り合いたいと思います。寺院は従来、地域の拠点として地域や社会の問題解決を担ってきましたが、今後はこれまで行ってきた寺院活動をSDGsに関連付けることにより新たな意義や価値を見出していくことが必要です。同時に将来的に諸課題の解決が達成された理想像を構想し、そこから逆算して現在あるべき取り組みを考えることも重要ではないでしょうか。仏教保育の目指す、すべてのいのちを慈しみ尊ぶ情操を育むことは、ESD(持続可能な開発のための教育)の理念とも通ずるものであり、持続可能な世界・子ども達の豊かな未来を創る事に結びつくものと考えます。(1)第690号■令和4年1月1日発行仏教保育2022.January1

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