2021-2022
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仏教保育協会における役員とは事は特別会員中より会長これを指名し一切の会務を処理す」と規仏教保育協会における理事とは第五章会計   第十条本会の経費は各宗派の補助金、各宗派寺院並びに諸団体の寄附金及び会員の醵出金または一般有志の篤志金を以てこれに充当すジで確認できますが、現在は、「会員」ではなく「社員」という名称です(第5条)。種別には「名誉社員」と「正社員」の2種類あって、前者が戦前の「名誉会員」、後者は入会金5千円以上、年額2万3千円以上を納める者で(第5条第1項、第2項)、金額は異なりますが戦前の「維持会員」「特別会員」「普通会員」に相当するといえます。ただし、当時の会員は、現在の社員に定められた権利や退会、除名といった規定がないなどの違いがあります。戦前の役員に関しては、第7条に、会長1名、副会長2名、顧問・評議員・理事・委員がそれぞれ若干名、主事1名、が役員として規定されています。その一方で、現在、日仏保の定款で役員として規定されているのは理事と監事です(第11条)。理事は30名以上35名以内(うち理事5名)・監事2名または3名をおくとされています。これは戦前と異なる役員体制で、定数も細かく規定されています(第11条第1項)。また、役員以外に法人の象徴として名誉会長1名をおき(第18条)、顧問及び参務長1名、副理事長4名、常任理事をおくことができるとされています(第19条)。次に、第8条では、各役員の職務権限について規定されています。戦前の会長に関しては、「会務を定款で理事長は「この法人の業務を総理し、この法人を代表する。」(第13条第2項)に相当するといえます。また、副会長に関しては、「会は「理事長を補佐してこの法人の業務を掌理し、理事長に事故あるときはその職務を代理し」(第13条第3項)に相当します。このように会則と定款を比較しますと、同様の文言や意味合いが認められることから、戦前の会長と副会長との関係性は、日仏保の理事長と副理事長との関係性と同じであるといえます。そして、戦前の顧問は協会の諮問機関でしたが、これは現在の顧問や参務が理事長や理事会の諮問に応じて助言するなど(第19条第3項)、多くの共通点が認められます。さらに評議員も、重要事項を評議することは現在の監事の職務につながるものです(第14条)。つまり、戦前と戦後を比べますと、それぞれ、会長は理事長に、副会長は副理事長に、戦前の顧問は現在の顧問及び参務に、評議員は監事に、戦前の理事は現在の理総轄し協会を代表す」が、現在の長を輔佐し会長事故あるときはこれを代表す」が、定款で副理事長事長と副理事長を除いた理事に、主事と委員は事務局長と職員に相当するといえます。なお、委員と主事につきましては、日仏保の定款では、「役員」という位置づけではありませんが、法人の事務を担う存在として戦前と変わらず、日仏保にはなくてはならない存在です(第41条)。このように、仏教保育協会の役員に関する会則を見てみますと、日仏保の定款と共通する言い回しが散見されることから、戦前の会則が現在の定款に継承されていることがわかります。戦前の理事は、仏教保育保育協会の目的を実現するための事業を遂行することや協会運営などが中心的な職務だといえます。主事や委員はそれらを補佐し、協会を運営する立場にあったといえますが、実際的には仏教保育事業に直接的に関わることが多くありました。機関誌では編集責任者を務めたり記事を書いたり、講習会では講師を務めたりするなど、協会運営に留まらない職務を果たしていたのです。ところで、第8条において、「理定されているように、理事だけが会長から指名されるという形をとっています。しかも、4種ある会員のうち特別会員から選出されるところに特徴があります。つまり、当時は「会員」という名称で、現在の「社員」から理事が選出されることは同様ですが、戦前においては会員の中でも特別会員しか理事にはなれなかったのです。これは、現在とは異なる形式で、日仏保の理事に選任される前提として、通常の5倍もの年会費を納める必要はないのです。そして、役員の任期については、は任期が設けられていませんが、評議員・理事・主事・委員は任期定されています。該当する役員は異なりますが、現在の役員の任期に関する規定と同様の内容となっています(第15条第1項)。このように、役員に関して、日仏保の定款と共通点の多い戦前の会則ですが、理事と同様に会計に関しても、現在には見られない特徴的な内容が書かれています。に続けて書かれた「第5章 には、仏教保育協会の経費は、各第9条で、会長と副会長、顧問にが2年で再任も差し支えないと規第4章の「職務権限及び任期」宗派からの補助金、各宗派の寺院や諸団体からの寄附金、会員による拠出金、一般の有志による協力金によって、広く賄われることが規定されています。日仏保においては、「収支計算書」で、会費収入や事業収益だけでなく、宗派(本山・保連)からの助成金や生命尊重募金などの収入が明示されています。しかし、定款では、基本財産やその他の財産の2種類があること(第42条第1項)や、長期借入金に関する条項(第46条)はありますが、戦前の会則のように、補助金や寄附金、拠出元などは規定されていません。戦前においては、会計の規定が現在とは異なるように、通常よりも多くの年会費を納める特別会員から理事が選出されるような規定は、日仏保の定款には見られない特徴です。見方を変えれば、理事という役職は、仏教保育事業を遂行する専門性を有していたことはもちろんですが、資金面で協会を支えるという側面も持ち合わせていたと考えられます。そして、これを明らかにすることが、協会創立をめぐる残された課題の解明だけでなく、理事が担っていたある重要な役割を見出すことにもつながるのです。次回は、それらを紐解く手掛か会計」りとして、理事を含めた協会役員の顔ぶれをご紹介します。(3)第689号令和3年12月1日発行

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