編集後記地域の子どもに本を「子ども文庫」読書の秋ですね。10月27日から11月9日までの2週間は「読書週間」です。最近では、新聞や雑誌なども含めて活字の電子化が進み、どこでも気軽に電子書籍が読めるようになってきました。一方で、「紙の手ざわりが心地よい」「ページをめくる音が好き」といった声を聞くこともあります。子ども時代から本を読んできた人の中には「紙の本を読む楽しみ」というものもあるようです。さて、地域の子どもたちに本を読む場所を提供する活動があるのをご存知でしょうか。「子ども文庫」は、家庭文庫(および地域文庫)とも呼ばれ、民間の個人やグループが本を集め、その蔵書を地域の子どもたちが自由に読めるようにするほか、貸し出しや読み聞かせ、お話会などを行う小さな図書館活動です。子ども文庫について書かれた本をきっかけに60〜80年代にブームとなりました。児童図書館研究会の調査によると、最盛期とみられる1980年には全国に4406文庫あったといいます。本の著者・石井桃子さんは、日本に『クマのプーさん(W翻訳者であり、作家・編集者で、自宅で自ら子ども文庫を開設していました。その「かつら文庫」の活動は、公益財団法人東京子ども図書館に引き継がれて、現在も続けられています。子ども文庫は、本と出会い、本に親しむことのできる子どもたちの居場所として各地域で機能してきました。子どもの本離れが進み、図書館が整備されたことなどもあって数は減っていますが、その活動は現在も行われ、新たに設立される文庫もあります。この秋、お住まいの地域でも文庫を探してみてはいかがでしょう。innie-the-Pooh)』(A・A・ミルン著)を紹介した今回の紙面に令和4年度幼児教育関連の概算要求の概要が掲載されます。お役所はいつも新しい用語を生み出して、事業の形をまとめていこうとします。今回目についたのは、幼児教育スタートプラン(そもそもこの言葉も何だかなあ・・・と感じます。)の中にある「幼保小の架け橋プログラム事業」です。それが立ち上がるについては「架け橋委員会」という分科会での議論があったそうです。内容は要領や指針のなかで話題になった「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を手掛かりにした「幼保小架け橋プログラム」のモデルを立ち上げようとしているようです。架け橋なので、こっちとむこうの自由な行き来が橋の役割です。互いが今まで渡れなかった川に橋を架けて、交流、共有、育成が行われていくことが望まれます。思うのは接続期(年中後半〜年長児)であることが重視されて、10の姿を就学前と就学後の発達や成長の基準として「比較材料」だけにならないようにしてほしいということです。分断されないように、「子どもの姿」のフローを切れ目なくスムーズに、保育者と小学校教諭が同じ目線で看取れるのかということが課題だと思います。架け橋が渡っている最中に跳ね上がらないように、なだらかな坂道の橋であってほしいと感じます。 事務局会議(WEB会議)(五島)事務局日誌10/7 「仏カリ」「仏教保育」編集会議令和3年11月1日発行第688号(8)仏教保育綱領〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-4TEL 03(3431)7475・FAX 03(3431)1519発行人 髙山久照 編集人 桑田則行毎月1回1日発行 (1部300円税込)慈心不殺 生命尊重の保育を行なおう仏道成就 正しきを見て絶えず進む保育を行なおう正業精進 よき社会人をつくる保育を行なおうhttp://www.buppo.com/公益社団法人 日本仏教保育協会
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