2021-2022
42/96

教3団体共同アクションプラン」として10「子どもたちに豊かな地球をつなぐキャンペーン」は、(公財)全国青少年教化協議会、(公社)全日本仏教婦人連盟、(公社)日本仏教保育協会が協働し、負の遺産を次世代に残さないために、釈尊が説いた縁起観(相互依存性)に基づき、環境破壊から環境再生・維持へと強い意志を持って実践するものです。社会全体が「少欲知足」を旨とする持続可能な「共生社会」を実現し、豊かな環境を子どもたちにつないで行くことを目指します。このキャンペーンは、2020年から2030年までの10年間に及ぶもので、「仏項目(素案)を設定しております。その中の一つである「年1回、3団体共同イベントを開催する」という項目について、昨年(公財)全国青少年教化協議会指導者研修会を開催し、「いのちの共生を考える」と題して、大井玄東京大学名誉教授による基調発題が行われました。そして、アクションプランに設定している「政府への要望書提出案」について3団体で協議を重ね、このたび令和3年6月1日付にて公開要望書を提出いたしましたのでここに示します。今後も、共同アクションプランを実行しながら、子どもたちに豊かな地球をつないで行くことを目指して活動してまいりますので、皆様のご協力をお願い申し上げます。政府への要望書提出子どもたちに豊かな地球をつなぐキャンペーン令和3年9月1日発行内閣総理大臣菅 義偉 殿 謹啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。第二百三回国会の菅義偉内閣総理大臣の所信表明演説に於いて、2050年までにカーボンニュートラル「脱炭素社会」を実現する宣言をされたことに対し、深心より敬意を表します。また、この宣言に伴い、環境省をはじめとする関係省庁が迅速な対応を行いつつあることは、今を生きる子どもたちの未来に光明をもたらすものであると感じております。しかしながら、現今での各省庁の施策内容は、経済及び物質面に主たる力点が置かれているように受け止められ、脱炭素社会の実現を目指すにあたっての理念・哲学が抜け落ちているように思われて仕方ありません。仏教では古来「山川草木悉有仏性」、すなわち、この世のすべての存在は、我々人間と同様に仏の性を備えているのだと説いてきました。また、「縁起」の理、すなわち、すべての存在が時間的、空間的につながり合い、互いに支え合いながら存在しているのだという「相互依存性」を真理として伝えてきました。環境破壊をはじめとするさまざまな社会問題は、人間至上主義、経済至上主義による負の遺産として生じているものです。今まさに地球全体を生命体、すなわち「ガイア」とみなし、「相互依存性」という理を踏まえて、生命中心主義に基づき、人間を含む地球全体を持続可能なものとしていくことが望まれます。私たちは、今まさに、すべての存在に対して「慈しみ」と「感謝」の念を抱き、「少欲知足」を旨とした、真実の「共生社会」の実現を目指すべきものと考えます。このことを実現させるために、次の五項目の実施を強く要望するものです。一、存在の「相互依存性」を充分に踏まえ、省庁横断で政策立案及び実施を行うこと二、各種政策立案及び実施に於いては、各省庁内に「子ども会議」を設置し、子どもの意見や思いを充分に反映させること三、各種政策立案及び実施に於いては、今を生きる子どもたちにとって、将来的に物心両面での負担とならないよう努めること四、公教育の中で「いのちとは何か」について、子どもたちが自ら考え、気づきを育むことのできる、ICT等を活用した教材作成及びその時間を設けること五、関連省庁の各種委員会委員に相当数の哲学者・宗教者を含めること11月18日のキャンペーンリリースと同日、「子どもたちに豊かな地球をつなぐキャンペーン」実施団体公益財団法人全国青少年教化協議会公益社団法人日本仏教保育協会公益社団法人全日本仏教婦人連盟令和3年6月1日以上合掌第686号(2)《要望事項》公開要望書

元のページ  ../index.html#42

このブックを見る