2021-2022
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ESDとSDGsSDGsにおける乳幼児期の課題緒に考えなければいけないということが見えてくるかと思います。(図1)この3本柱がうまく組み合わされた実践例として、秩父市の取り組みがあります。秩父市は、ほぼ9割が森林という山間地で、林業や養蚕業が盛んです。木に囲まれて豊かに暮らしていく生涯〝木育(もくいく)〟を掲げ、誕生祝い品として秩父市で生まれた子ども全員に「つみっこ」という小さな積み木をプレゼントしています。この木のおもちゃを通して親子が地域への帰属感をもつことが期待され、地元の木を使うことで産業の発展も図られています。次に、ESD(持続可能な開発のための教育)とは、どういうものでしょうか。ESDは、包括的にいろいろな分野から持続可能な開発を考えていく、その持続可能な社会をつくる担い手を育てるための教育です。知識として教えるのではなく、発想力や行動力を育てる、まさにアクティブ・ラーニングだといえます。(図2)その成り立ちにおいては、日本のNGOと政府が共同提案し、国連総会で「持続可能な開発のための教育の10年」(2005〜2014年)が採択されました。その10年間の成果を総括するために、2015年に名古屋でユネスコ世界会議が開かれています。SDGsが採択されたのは、同年9月の国連サミットでにおいて( Cの子どもの発SDGsの関係としては、その後、2019年に、ESDを2030年までのSDGsの達成に向けて推進していくことがす。ESDと国連総会で採択されました。(図3)SDGsは、普遍性、包摂性、参画型、統合性、透明性の5つを特徴として、全ての国でみんながアクションを起こす側として統合的に取り組むべき課題と考えられているものです。17のゴールと、その下の合計169の具体的なターゲットで構成されています。SDGsの中には、乳幼児期達(乳幼児期からの教育・保育についても課題として位置付けられています。(図4)ゴールの4番目は「教育」について。「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保ESD for 2030)hildhood Development)Early し、生涯学習の機会を促進する」というものです。この「教育」のゴールの2つ目のターゲット「4.2」は、乳幼児期についての項目になっています。私は、このSDGsの中に、乳幼児期からの教育・保育の重要性が包括的に捉えられていることに注目したいなと思います。それも単に幼稚園・保育園・こども園といった施設の教育・保育のことだけを言っているのではありません。「質の高い早期幼児の開発、ケア、および就学前教育」、つまり乳幼児期からの発達やケア、教育・保育の全や、てがここに謳われているのです。そして、SDGsにおいて、乳幼児期を直接目標にする項目は、ゴールの4番目「教育」のところだけではありません。2番目の「飢餓」、3番目の「保健」、乳幼児期についてのターゲットが示されています。(図4)どうですか、「飢餓なんて、よその国のこと」でしょうか?そんなことないですよね。このコロナ禍で、貧困、それも乳幼児を育てている若い家族の経済的困窮や、それによる食事の問題も出てきています。新生児死亡率、5歳児以下死亡率については、日本は世界で一番、新生児死亡率が低い国ですから、このノウハウをほかの国にも伝えていくことが私たちの役割ではないかなと思います。また、世界中の子どもの中には、少年兵として戦場に駆り出されている子もいます。若年労働という搾取や、様々なかたちでの虐待を受けていることも。日本でも虐待の問題は深刻ですね。ここまで駆け足でお話しましたけれども、国連広報センターのホームページに「SDGsを広めたい・教えたい方のための『虎の巻』」というページがあります。ここにとてもわかりやすいPDFファイルが出ていますので、どうぞご覧になってみてください(後半に続く)。(第2回配信期間令和3年1月25日10時〜2月25日17時)図2 持続可能な開発のための教育(ESD)とは?図1 SDGs時代の持続可能な開発の概念図図3 ESD・SDGsの成り立ち図4 SDGs:乳幼児期を直接目標にする項目16番目の「平和」のゴールでも、令和3年4月1日発行第681号(2)

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