■第683号■はじめに昭和時代における創立年の混在会は昭和4年以来、仏教連合運設立され、44年には社団法人の認可を受け、法人としての人格を認められて現在に至った。」(第《日仏保の歩み⑪》―戦前編「「1929(昭和4)年」という創立年の浸透⑴」―佐藤成道 前回の5月号(第682号)では、仏教保育協会の創立の時期をめぐって、「1928(昭和3)年」と「1929(昭和4)年」とい状と、「1929(昭和4)年」という年時が明文化されて初めて登場したのが1955(昭和30)後の機関紙『仏教保育』創刊号だったことを記しました。前回に引き続いて、「1929(昭和4)年」という創立年が日仏保で浸透してきた経緯についての内容となりますが、紙幅の都合から、昭和時代と平成時代の2回に分けまして、今回は機関紙『仏教保育』創刊号が発行されて以降淑徳大学う2つの創立年が混在している現年12月8日(木)に発行された戦アジア国際社会福祉研究所リサーチ・フェロー/曹洞宗『仏教保育』創刊号で登場して以の昭和時代についてお話しします。なお、機関紙『仏教保育』からの引用にあたっては、漢数字をアラビア数字へと変更し、引用した号数のみ記しておりますことをお断りしておきます。「1929(昭和4)年」という協会の創立年が戦後の機関紙降、昭和時代の機関紙において創立年に関する言及の頻度は、概して数年に1回程度と少ない状況でした。また、協会創立に関して言及があるのは、日仏保の歴史に触れる場合や日仏保創立の40周年・化があった際などに限られていました。例えば、日仏保が社団法人として認可されたのは1969(昭和1968(昭和43)年10月に「42年度 事務(業)報告/日仏保各部委員会報告」における「V 団化の必要性」の冒頭で、「本協号)と書かれています。その一方で、1969(昭和意書」の冒頭では、「本協会は昭と書かれています。両者は、共に社団法人化に関する文書で、しかも3ヶ月しか離れていないことから、創立年の表記が統一されてはいなかったことがわかります。その後も、1978(昭和53)年に「本協会結成50周年記念」と銘打って、日仏保の発展に貢献した多くの功労者に対する感謝状贈呈と表彰状授与が決まった際には、記されているように、「1928(昭和3)年」を創立年としていました。常仙寺副住職 動の一つとして仏教各宗本山の協力助成の下に組織された仏教保育者の任意団体であった。」(第68和3年以来全国4、000有余の仏教幼稚園保育所の連合組織体を目指し(中略)広く同志の結集を図って参りました。」(第70号)「本協会結成50周年を記念して、多年にわたり本協会の充実発展に貢献された功労者を表彰することになった。」(第176号)とその一方で、1989(昭和64/平成元)年には、会費改定に関する記事における「60年の歴史」の冒頭で、「当協会は昭和4年に299号)と記されるなど、昭和時代を通して創立年の記載に混在が生じていたのです。戦後、昭和時代の機関紙『仏教保育』での創立年に関する言及の特徴としては、年時が書かれてい社趣 創立年が定着していくことになるることは多いのですが、「昭和初年」や「昭和初期」の表記もあるなど正確な日付までは書かれていないこと、「御大典(記念事業)」の文言と一揃いで説明される場面が散見されること、さらには、「組織」「結集」「結成」など、協会の「創立」に関する表現として様々な表記が見受けられることなどがあります。この背景には、戦前の仏教保育に対する意識や研究が低調だったことがありますが、機関紙に掲載される協会創立の年時や表記などの統一が図られてこなかったことも、2つの創立年が併存する結果となった要因といえます。これが平成時代に入ると、日仏保でのある変化によって「1929(昭和4)年」というのですが、次回は、その経緯についてお話しします。(1)第683号44)年11月のことですが、前年の50周年などの節目、協会組織の変44)年の「社団法人基金設定 令和3年6月1日発行仏教保育2021.June6
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