202109
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編集後記子どもの読解力・伝える力が低下?Literacy)」近頃、小学生などを対象として〝読解力を伸ばす〟ことに特化した塾があちこちで開かれているのだなと、広告等で見かける機会が増えています。これまで国語という科目は、英語や数学といった他の科目に比べて将来に結びつくイメージが乏しく、特段、力を入れるべきとは考えられにくいところがありました。しかし、「出題意図を正確につかむことで全科目の点数アップにつながる」、「SNSでの短文のやりとりが日常化し、読解力が養われない」といった指摘がなされるようになってきました。その背景としてよく取り上げられるのが、OECD(経済協力開発機構)による国際的な学習到達度調査(PISA)における「読解力」の順位の低さです。PISAは、2000年から3年ごとに、15歳児を対象として「読解力(=R「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野で実施されています。最新の2018年調査では、OECD加盟国との比較で、数学1位、科学2位に対し、読解力は11位でした。OECDが示す「読解力」の定義は「総合的な学力が求められる」もので、日本では「PISA型読解力」と呼ばれています。これが現在、学習指導要領など日本の教育政策に大きな影響を与えているようです。文部科学省・国立教育政策研究所によると、日本の生徒は「自由記述形式の問題において、自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することが苦手」と分析されています。つまり、〝伝える力〟の不足が、PISA型読解力において順位を低める要因になっている、ということでしょうか?PISAの次回調査は、2022年に予定されています。eading 8月8日に東京オリンピックが閉幕しました。日本は金27、銀14、銅17の計58個のメダルを獲得し、金メダル数、メダル総数共に史上最多の獲得となりました。スポーツ選手の勇姿を見ていると、「努力は嘘をつかない」という言葉は本当だと実感します。一流選手と言われる人たちは良い結果に結びつけるため、人の何倍も努力を重ねて自分自身を高めています。同時に、インタビューに答える選手の多くが、自身の力を過信することなく、家族や監督など周りのサポートに感謝する姿も印象的です。9月に入ると、各園では運動会や行事の練習が始まります。子ども達が自ら興味を持った物事にさらに熱中できるよう、もっとやりたい、という気持ちを高める声掛けが大切です。幼少期に何かに一生懸命に取り組み、最後までやり遂げた喜びに出会うことは、将来、自らの頑張りを追求できる糧になるのではないでしょうか。オリンピックを観戦しながら、自分を信じ努力を重ねられる環境づくりも大事だと感じました。 (桑田)事務局日誌令和3年9月1日発行第686号(8)仏教保育綱領〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-4TEL 03(3431)7475・FAX 03(3431)1519発行人 髙山久照 編集人 桑田則行毎月1回1日発行 (1部300円税込)慈心不殺 生命尊重の保育を行なおう仏道成就 正しきを見て絶えず進む保育を行なおう正業精進 よき社会人をつくる保育を行なおうhttp://www.buppo.com/公益社団法人 日本仏教保育協会

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