2020-2021
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―子どもたちに豊かな地球をつなぐキャンペーン――面談日誌からみえてくるスピリチュアルペイン―【2020年度全青協指導者研修会&臨床仏教研究所公開研究会】令和2年11月18日/東京グランドホテル◇ 臨床仏教研究所 ◇先般、11月18日に開催された「子どもたちに豊かな地球をつなぐキャンペーン」の記者発表、および公益財団法人全国青少年教化協議会(以下、全青協)指導者研修会について、本紙にてレポートしました(2021年1月号に掲載)。今号では、同時開催された臨床仏教研究所による公開研究会について報告します。当日、全青協の付属機関である臨床仏教研究所が養成している臨床仏教師により、実践事例の発表がありました。なお、会場の様子はインターネット上でもライブ配信されました。「東京慈恵会医科大学附属病院緩和ケア診療部における 『いのちのケア』の実施報告〜面談日誌からみえてくるスピリチュアルペイン〜」と題し、発表したのは東京慈恵会医科大学附属病院の緩和ケアチームでSCW(スピリチュアル・ケアワーカー)の役割を担「いのちのケア」実施報告「こわがらなくていい」という言葉かけ『いのちのケア』の実施報告う内山美由紀さん。臨床仏教研究所において第2期臨床仏教師養成講座を修了し、認定された臨床仏教師です。看護師として30年以上働いてきた内山さんは、新人の頃、小児病棟に入院中の15歳の少年から「死んだらどうなるの?」と尋ねられ、「私は死んだら星になりたい」と軽い気持ちで話しました。少年はその後すぐに亡くなり、内山さんは自分の安易な言葉をひどく反省したそうです。そうした経験を通して「自分なりの死生観を確立しなければ」と模索するようになり、やがて仏教(阿弥陀)思想と出会います。それが内山さんの死生観の形成を助け、臨床仏教師となることに結びつきました。「家族として、まだしてあげられ緩和ケアチームのSCWとして働き始め、死に至る病の中にある人は「死への恐怖」というスピリチュアルペインを抱えていることを痛感します。ストレートに口に出す人は多くないけれど、3年半の実践の中で「死ぬのがコワイ」と語る何人かとの出会いがありました。受ける中で、点滴や酸素のチューブをヒゲ剃りの刃で切ろうとするなどの行動がみられるようになりました。「いつも冷静でこんな人ではなかったのに…」と、Aさんの妻は途方に暮れていました。内山さんが「そばに行って手をとってあげてください」と声をかけ、妻が半信半疑で手をとると、Aさんの表情が徐々に穏やかになっていきます。妻は、医師が手を尽くしても治らないという状況でもることがあった」…と涙を流し、Aさんの手を握り続けました。末期の苦しみの中でも、家族の手のあたたかさや馴染みのある声や匂いを感じて落ち着きを取り戻すことがあります。内山さんは、こうしたたくさんの事例を通して、死を迎えようとしている人が最も求めているのは、そばに居続けること、そして「こわがらなくていい」という言葉かけではないかと考えています。そして、もう1つ大事なのは、死後の世界について考える機会をもつこと。それが救いになり、気持ちが鎮まるという例が多くみられるのだそうです。臨床仏教師として、慈悲の4つのまなざし(随喜・隋悲・恭敬・還愚)を大切にしながら、内山さんは今後も活動を継続していき令和3年1月6日、ご遷化されました。浄土宗行慶寺(東京都品川区)第33世住職。平成3年から25年まで行慶寺ルンビニ幼稚園園長、「NPO法人子育て品川」代表理事や「聴覚障害児と共に歩む会・トライアングル」会長を務めるなど、様々なかたちで幼児教育に貢献され、平成23年には品川区教育文化功労者特別表彰を受けられました。さらには立(行慶寺前住職/日仏保参務)小俣昌道先生(享年76歳)ます。公益財団法人全国青少年教化協議会(全青協)に付属する総合的な教育研究機関。2008年3月設立。臨床仏教師は、生老病死にまつわる人生の苦悩に向き合い、専門的な知識・経験をもとに行動する仏教者として、臨床仏教研究所において養成・認定される。正大学や淑徳幼児教育専門学校で非常勤講師を務められ、保育者養成にも携わっておられました。日仏保においては、平成7年から21年までの長きにわたり、研究担当常任理事として協会の要ともいえる研修・研究活動に多大なるご尽力を賜りました。なかでも、『わかりやすい仏教保育総論』(日仏保編集・チャイルド本社)では、編集委員・執筆者として刊行までにご尽力を賜りました。『難聴児の幸せのために』(ぶどう社)における理論と実践の研究が評価され、第6回持田賞を受賞、平成26年には第20回仏教保育功労賞を受賞されました。生前のご功績を称え、謹んでご冥福をお祈りいたします。公益社団法人日本仏教保育協会合掌理事長髙山久照社員一同訃 報臨床仏教師    (5)第680号内山美由紀氏40歳代のAさんは、緩和ケアを令和3年3月1日発行

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