■第676号■7月初めから末頃にかけて、日本付近に停滞した前線の影響により各地で大雨となり、人的被害や物的被害が発生しました。梅雨前線が停滞し、7月3日から8日にかけて西日本や東日本で大雨が発生。特に九州では4〜7日は記録的な大雨となり、また岐阜県周辺では6日から激しい雨が断続的に降り、7〜8日に記録的な大雨となりました。気象庁は、熊本県、鹿児島県、福岡県、佐賀県、長崎県、岐阜県、長野県の7県に大雨特別警報を発表して警戒を呼びかけました。その後も、13〜14日には中国地方を中心に、27〜28日には東北地方を中心に大雨となるなど、西日本から東北地方の広い範囲で雨の降る日が多くなっていました。この大雨により、球磨川、筑後川、飛騨川、江の川、最上川などの大河川での氾濫が相次ぎ、土砂災害、低地の浸水等による重軽傷者や死者、建物損壊、床上・床下浸水などの被害が多発しています。消防庁によると(9/15報告)、熊本県65名、大分県6名など全国で計84名の死者が出ており、全国で約1万8千件にのぼる人的・物的被害が報告されています。特に(以下、日仏保)では、この甚大熊本県では、住家の全壊が約1千5百件など9千件以上の被害報告が出されています。公益社団法人日本仏教保育協会な被災に際して、復旧・復興に供していただくために、公益財団法人全日本仏教会による救援基金に100万円を寄託しました。この寄附に対して、10月6日、全日本仏教会・戸松義晴理事長より日仏保・髙山久照理事長へと感謝状が手交されました。* * 亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族・関係者の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げます。また、負傷された方々、被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。世界各地に新型コロナウイルスの感染が広がっています。多くの開発途上国は、健康危機に加え、ロックダウンや外出自粛等の影響から経済危機による貧困問題の悪化が懸念される状況となり、国際NGOなど支援団体による緊急支援が始められています。こうした世界情勢を鑑み、日仏保では、公益財団法人日本ユニセフ協会「新型コロナウイルス緊急募金」に100万円を寄託し、この寄附に対し、感謝状が贈られています。また、インドで感染が拡大し、ブッダガヤにある「菩提樹学園」でも新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。そこで、マスク等による感染対策を十分に行えるよう、日仏保から公益財団法人国際仏教興隆協会へ50万円を寄附致しました。* * ユニセフは、新型コロナウイルスによる世界的危機に対し、様々な国際的支援を行っています。感染予防のための物資については、物資不足や輸送制限などに直面しながらも、7月までに100か国以上に向けて、医療用マスク750万枚、N95マスク280万枚、手袋1千万枚などを送りました。感染拡大を防ぐために、最も簡単で大切なことは「石けんでよく手を洗うこと」。しかし、世界人口の約40%は自宅に石けんや手洗いに使える水がなく、また手洗いの設備がない学校に通う子どもは9億人にのぼるといいます。きれいな水や衛生設備は、誰もが簡単に手に入れられるものではないのです。ユニセフでは、子どもたちが安全な水や衛生的なトイレを利用できるようにするための支援も行っています。さらに、経済活動の停滞や教育の中断によって、貧困家庭で保健医療や食料への支出が減らされ子どもたちの健康を脅かしたり、家庭内で虐待の再発を招いたりすることも懸念されています。そういった感染予防以外の部分での支援は、今後ますます必要となってくるでしょう。ユニセフが掲げる目的のように、「すべての子どもたちの命と権利」が守られることを願ってやみません。**災害支援・国際支援の報告 写真中央 :(公財)全日本仏教会 戸松義晴 理事長 同左 :(公財)全日本仏教会 木全和博 事務総長© UNICEF/UNI302788/Ralaivita小学校の水道で手を洗うマダガスカルの子どもたち(2020年2月17日撮影)ユニセフより贈られた感謝状(1)第676号令和2年11月1日発行仏教保育2020.November11
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