編集後記インドとモンテッソーリ教育プロ棋士の藤井聡太さんの活躍はめざましいですね。最年少の18歳で2冠を制し、その歳での八段昇段は62年ぶりの快挙なのだとか。その藤井棋士が子どもの頃に通っていたとして紹介されたことから、「モンテッソーリ教育」について初めて知ったという人も多いようです。主に幼児を対象として、モンテッソーリ教育は、欧米やアジア、アフリカなど広く世界中で実践されていますが、その中でもインドとの関わりが特に深いことは、あまり知られていないのではないでしょうか。ブッダガヤにある菩提樹学園でも、長くモンテッソーリ教育が実践されてきました。モンテッソーリ教育の創始者であるマリア・モンテッソーリは、イタリアで初めて医師になった女性です。脳の病気について研究し、障がいをもつ子どものための学校をつくったことを手始めに、幼児教育の分野で活躍しました。1907年に貧しい人たちが暮らすスラム街に「子どもの家」(モンテッソーリ園のこと)をつくり、これが評判となって国外にもモンテッソーリ教育が知られるようになりました。やがて彼女は、「子どもの家」での教育について本を書いたり、各国から招待を受けて世界中を旅するようになります。アに向かったのですが、その頃には世界大戦が大きく広がりつつありました。そのためにインドから出ることができなくなり、7年間という長い期間をそこで暮らすこととなったのです。しかし、熱心な招待を受けて訪れただけあって、インドでたくさんの人の共感を得ることとなり、モンテッソーリはその間に千人以上もの先生を育てたといいます。今年の七月には大雨による被害が相次ぎました。梅雨明けも平年より遅く、東京などでは七月の一か月間、ほとんど毎日のように雨が降っていました。八月に入り全国的に梅雨が明けると一転、猛暑の夏が続いています。猛暑日と言われる気温三十五度以上の日が各地で続き、八月一七日には静岡県浜松市で、これまでの国内最高気温に並ぶ四十一・一度を記録しました。消防庁の発表によると、八月一〇日〜一六日の一週間に全国で熱中症で救急搬送された人は、前週からほぼ倍増し一万二八〇四人にのぼりました。連日の猛暑の他に、自粛期間中の体力低下、暑さへの不慣れが、熱中症の背景にはあるのかもしれません。近年の記録的な夏の気温上昇は、室外での保育に大きな影響をもたらしています。子どもは、体の熱を発散する力が未熟なことや身長が低いことから、地面の熱の影響を受けやすく注意が必要です。今年は三密を避けるため、暑さ対策と同時にこまめな換気や消毒など特別な対応も必要になったことと思います。また、ニュースではサンゴの白化現象なども見聞きし、地球規模で環境が大きく変動していることを感じさせられます。今後、暑さ対策をどのようにしていくべきか課題は多く、考えさせられることの多い暑い夏になりました。(桑田)9/8 「仏カリ」「仏教保育」編集会議事務局会議(ウェブ会議)事務局日誌令和2年10月1日発行69歳の時、インドの人々からの招待を受けて初めてアジ第675号(8)仏教保育綱領〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-4TEL 03(3431)7475・FAX 03(3431)1519発行人 髙山久照 編集人 五島 満毎月1回1日発行 (1部300円税込)慈心不殺 生命尊重の保育を行なおう仏道成就 正しきを見て絶えず進む保育を行なおう正業精進 よき社会人をつくる保育を行なおうhttp://www.buppo.com/公益社団法人 日本仏教保育協会
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