公益社団法人日本仏教保育協会(髙山久照理事長)は、2月21日、芝パークホテルにて養成機関連絡協議会を開催し、学生募集の取り組みや、今後の保育者育成等についてご提言を頂きました。今回は、養成校から7校9名、日仏保から6名、オブザーバーとして佐藤逹全先生が参加しました。(参加された先生方のお名前は別掲)養成機関連絡協議会 令和2年2月21日/芝パークホテル■安藤和彦先生京都西山短期大学■小川隆昭先生華頂短期大学■重安智子先生聖徳大学「よき保育者を育てるために」―学生募集の現状と取り組み―はじめに司会・進行を務める髙木常任理事より開会の要旨説明があり、髙山理事長から次のような言葉がありました。「日本仏教保育協会は、昨年ました。90年を振り返って協会の設立当初について調べると、当時は幼稚園令が出て徐々に保育というものが社会に浸透し始めた頃でした。まだ情報が少なかったため、協会が設立され、幼稚園や託児所を開こうとしている全国のお寺を指導してまわったということです。そうした記録を見ますと当時の様子が頭に浮かび、これが仏教保育の基礎になったのだと実に感慨深く受け止めたところです。それから90年後の現在、教育界は変革の時代を迎えています。その中で1つの大きな課題となっているのが求人難です。このような機会に養成機関の先生方とお話をすることで、少しでも今後の展望につなげていければと思っております。同時に、そのように難しい時代の中でも、仏教保育というものの存在感をしっかりと示していきたい。そのためにも、先生方のご助言を頂ければ有り難く存じます」。以下、発言順に養成機関の先生方からのお話の要旨をお伝えします。この頃、学生時代から人間関係を上手く築けないような学生も出てきていて、どう対処したらいいのか難しい状況です。一方で、子ども子育て支援事業計画が全国的に政府に提出される段階にありまして、そこでニーズとサービスについて示されるわけですが、それを支える人材はどこにいるのでしょうか。働く人が足りなければどうなるのかと、不安を感じているところです。学生募集に関しては、18歳人口が減っている中で、どうバランスをとっていくかということを日々考えております。都道府県によっては学生過多のところがあると聞いておりますから、全国を視野に入れていく方針です。この18歳人口の減少に対して養成校にはそれぞれ危機感があるかとは思います。ただし、その事によって入学生が減っても仕方ないというような逃げ口上になってしまってはいけない。まして少ない学生を取り合おうというのではなくて、協力し合って、せめて保育を学ぶ学生が減らないようにしていきましょう。短期大学では、20歳になってすぐに保育士として世に出ていくことになります。しかし、そこで「自信がもてない」という学生がたくさんいます。1人では自信がないし、かといって多人数の中ではコミュニケーションがうまくとれない。実践的な教育実習の中で少しでも自信をつけてくれたらと思うのですが、自分にパーフェクトを求め過ぎてしまう学生が多いようです。なかでも幼稚園では人材が少ないということで、いきなり担任をもたされるケースがあります。そうすると、入職したての保育者が6月にはもう学生相手に実習の指導をしなければならない。実は、本学の附属幼稚園に入った卒業生も、すぐに担任をもって四苦八苦しています。先日もピアノを教えてほしいと訪ねて来ました。1年目の保育者というのは、とにかく不安で自信がない。少しでも学生が自信をもって卒業できるような教育を進めていけるようにと考えています。大学の児童学部は7コースありまして、コースが多いので、幼稚園、保育士、小学校、その他施設、あとスポーツを得意としたところなど、就職先も幅広いものとなっています。幼稚園園5%、小学校を含むその他施設が20%で、就職率は100%です。学習は理論と実践力を高めるようにして、ピアノ、折り紙、造形、身体表現、感性を高める人間教育と、それぞれの良さを令和2年4月1日発行11月に90周年の記念式典を終え25%、保育所50%、認定こども第671号(4)
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