上述の配慮に基づき、各国政府が遂行しなければならないこととは乳幼児期のための「新しい現実」(略称OMEP)「世界幼児教育・保育機構」とは、世界中の子どもたちの利益と総合的な福祉を促進するために1948年に設立された、国際NGO・NPOです。幼児教育・保育のあらゆる面に関するUNESCO(国際連合教育科学文化機関)の諮問機関でもあり、世界約70か国の国内委員会から構成されています。日本は1968年に日本委員会を設立・加盟し、世界OMEPと協力して、国内の主要な保育関係団体と連携しながら、国内外の子どもたちの平和と幸せを願って活動しています。日本仏教保育協会は、OMEP日本委員会に団体会員として加盟し、理事団体として活動に参画しています。Organisation Mondiale Pour l'Éducation Préscolaireを築く方法として、身体表現やハグ、からだの触れ合い、身振り、顔の表情は、重要である。•自主性を重視する進歩的な原理は、丁寧な発達のためには、手洗いやその他の衛生習慣の形成にも手間ひまと忍耐を惜しむべきではないことを示唆している。•子どもたちに影響を与えるあらゆる事柄に、子どもたちの視点に対する配慮を含むこと。彼(女)らの考え・感情・興味、そしてニーズは、大人に焦点をあてた伝統的な視点を乗り越えて、このパンデミックとパンデミック後の公的な施策枠組みの中で、考慮されなければならない。•子どもたちのための幼児教育・保育施設のオープンと運営は、健康にのみ焦点をあてたり、経済的な利益にのみ応じて行われたりするものではない。それらの決定は関連部門を考慮に入れるのと同様に、教育者と家族の経験と知識も考慮に入れなければならない。•家族に寄り添い支えるために、わかりやすい表現で書かれた包括的な解決法が構築されなければならない。そして、その解決法は、子どもたちの成長や発達に必要な子どもの健康・食の安全・レクリエーションと遊びへの権利を保護しなければならない。また、家庭内暴力や虐待の状況に対しては、阻止し介入しなければならない。•子どもの権利の包括的な保護を保障し、最も立場の弱いグループに焦点を絞らなければならない。すなわち、貧困・不平等・飢饉や軍事紛争下の子どもたち、移民の子どもたち、キャンプや収容所にいる難民の子どもたち、気候変動や汚染・環境悪化や自然災害の影響を受けた子どもたち、人種差別・外国人嫌い・性差別の影響を受けている子どもたち、性的搾取あるいは労働搾取を受けている子どもたちなどである。•教育者たちが、閉鎖中の幼児教育・保育施設においても、また施設の再開計画においても、手順をふんで新しいアプローチを導入する際、遠隔教育のストラテジーを学んで家族や子どもとのコミュニケーションを図ろうとするのであれば、必要な資源と手段の供給を確保し、彼らにガイダンスと養成研修を行うことである。•乳幼児の健康への権利を、定期健診の継続、ワクチン接種、適時のケア、特に、とりわけ冬期に再発しやすい突発性呼吸器疾患への対応といった手法で保障することである。それらは、健康に基づく教育に向けた予防施策や推進策の実施も含んでいる。•創造的で包括的な提言・ストラテジー・手段を通して、乳幼児が長時間情報機器の画面にさらされるべきではないことを考慮しながら、有益なテクノロジーを活用することの重要性を考えることである。一方で、情報機器やインターネットへのアクセスにおいて、著しい不平等のあることも考慮しなければならない。最後に、新型コロナウイルス感染症(CO)による危機は、私たちがいかに世界的に繋がっているのかを示すことになった。私たちはこの文明化されたモデルを支え続けることはできないし、それは私たちを空前の人間的・社会的・教育的・経済的、そして環境的な地球規模の危機へと導くことになる。私たちは、自分たちの責任を私たちの子どもたちの現在と未来の生活へと焦点化すべきであり、このことは、私たちが望む社会を再構築することである。よりよい世界を創造する可能性はあるが、そのためには、この危機の教訓に基づいた、共同的で連帯的な努力を必要とするのである。子どもたちには、ホリスティックで人道的な教育の促進と子どもたちの尊厳と権利を守ることを決断した各国政府、家庭、そして市民社会が必要である。OMEPは人類と地球のため、とりわけ子どもたちのための持続可能な世界を創造する重要性を強調することを望んでいる。私たちは、連帯して努力を継続し、持続可能な開発目標(SDGs)とそのターゲット4(SDG4)の達VID-19成に向かって生み出された進歩を守り保持する。教育は、全ての人のため、誰一人として取り残されないための、よりよい社会を建設するための主たる手段であることと確信している。世界OMEP理事会2020 年6月25日翻訳:瀧口優監修:森眞理(OMEP日本委員会)がコロナ禍の子どもの権利保署名障等に関しての声明を出すなか、OMEPも世界理事会にて声明書(を作成、発信いたしました。文科大臣、厚労大臣、外務大臣、国連大使の方にもお送りしたところです。危機において、最も強く影響を受けるのは、いたいけな乳幼児であり、その中でも貧困や紛争下におかれている子ども達や難民の子ども達、家族から引き離された子ども達でしょう。ユネスコの調査では、世界規模で見ると、リモート授業を受けざるを得なくなった子ども達の半数が、インターネットへのアクセスが難しい環境に置かれていたとのことです。国内でも、休園によって、日中の豊かな環境と友だちとの関わりが保障されなくなり、家庭環境がダイレクトに影響を及ぼしたことで、保育再開後の子ども達の経験の差、生活の差が感じられると、何人かの先生からうかがいました。担い手である乳幼児とその家族を視野に入れ、重点に置いた施策がなされることを願っていきたいと思います。世界各国の子ども関連組織日本委員会では安倍首相やそのような、未来の創り手、OMEP日本委員会会長上垣内伸子Position Paper)OMEP日本委員会会長からのメッセージ(5)第675号令和2年10月1日発行
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