202007
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■第673号■  公益社団法人日本仏教保育協会理事長 髙山久照新型コロナウイルス感染防止と「新しい園生活様式」の確立新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大により、多くの感染者数、感染による死亡者数が報じられています。日本国内においても、2月から日を追うごとに感染者の報告が増え、政府から4月7日に7都府県に対して緊急事態宣言を発令し、16日には対象地域を全都道府県に拡大されるに至りました。改めて、この度の感染症により命を落とされた方々、またご遺族の皆様に謹んで哀悼の意を表するとともに、罹患された方々には一刻も早いご快癒をお祈り申し上げます。更に、最前線で対応されている医療従事者の皆様方の大変なご努力に対し、心より敬意を表します。コロナ禍において、会員各園では日々様々な困難のもとに園運営が行われていることと思います。国の要請を受け、医療従事者等の子ども達を預かる会員園からのご報告も頂きました。このような園による受け入れは、医療現場の維持に尽力される保護者にとって、大きな力となっている事でしょう。緊急事態宣言が解除された現在、保育の再開にあたっては、感染防止対策、行事の変更やカリキュラムの再編等々、各園とも極めて多くの課題に対処されている事と思います。自粛期間中、保育を受ける機会を失った子ども達の多くは、家の近くや公園等で自由に遊ぶことも憚られる、といった非日常的な生活を余儀なくされました。ストレスを感じたであろう子ども達の心身への配慮のある保育を行う必要を感じます。政府の専門家会議の提唱する「新しい生活様式」になぞらえるならば、「新しい園生活様式」を一刻も早く作り上げ、保育者の安全・安心が確保され、子ども達にとって有意義な保育の実施が望まれます。また、各養成機関におきましては、新年度の授業の有り方についての様々な課題解決、学生に対する配慮等々に忙しい日々を送っておられる事と思います。日仏保では、4月13日から5月末日まで事務所を閉鎖し、リモートワークで事務処理を行いました。事務局会はウェブ会議に切り替え、監査会、理事会は書面決議にて実施致しました。また第9回定時社員総会は、恒例の仏教保育研修会や懇親会を中止とし、規模を縮小して開催いたしました。さらには、継続して発行しておりました機関紙「仏教保育」についても、6月号の発行を見送らせて頂きました。そして、戦時中をのぞき毎年7月に継続して開催しておりました「夏期仏教保育講習会」は、残念ながら中止の判断をせざるを得ない状況となってしまい、参加をご検討いただいておりました皆様には、大変ご迷惑をおかけすることとなりましたが、ご理解の程お願い致します。現在のところ、事業計画にある研修会や講習会などの自粛を余儀なくされていますが、今後の状況が改善された折には、適切に事業を実施したいと考えております。例えば、参加者による「密」を避けるために、ウェブによる研修会の実施などについての検討を進めて参ります。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、困難な状況に陥っている子ども達や医療従事者に対する支援は、早急に行うべき課題だと考えます。今後は感染の第2波以降への備えが重要とされます。状況の推移に適切に対応し、慈悲の心に溢れた仏教保育の日常を再構築していく事が求められます。(1)第673号令和2年7月1日発行仏教保育2020.July7

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