202005
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機関紙「仏教保育」第673号について編集後記新型コロナウイルスに適切な対応を *注 一般社団法人日本環境感染学会「新型コロナウイルスの感染が疑われる人が2019年12月に発見され、パンデミック(世界的な大流行)を起こした新型コロナウイルス。その感染症は、WHOや諸外国では「COVID―WHOの発表では、4月初旬までに確認された感染者数は全世界で140万人を超え、死亡例は8万5千人超、210以上の国・地域に感染が広がっているとのことです。抗ウイルス薬やワクチンは確立されておらず、石けんを使った手洗いと、マスクなどで飛沫感染を防ぐ予防策が推奨されています。また、アルコール消毒、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)にはウイルスの殺傷効果が認められています。*注高齢者やすでに基礎疾患をもつ人は重症化しやすいとされ、また、厚労省対策班の調査などから、患者クラスター(集団感染)を避けるために、①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声という「密閉・密集・密接」の3条件が重ならないよう呼びかけています。一方で、国連総裁は、世界中で10万人以上が回復したことにも目を向けるよう示唆しました。WHOのQ&Aによれば、一般に子どもや若年層は症状が穏やかで、医療を必要とするのは5人に1人程度とのことです。国際赤十字連盟、UNICEF、WHOは合同で、社会的スティグマ防止のための対応ガイドを公表しました。特定の個人や集団を感染者と決めつけるような行為は、差別や、病院に行かないなど人々の適切な行動を阻害する原因にもなると指摘しています。いじめや偏見への懸念から、文部科学大臣からも「正しい知識に基づいた冷静な行動」を求めるメッセージが公表されました。非常事態宣言が明ける5月6日に向けて、またそれ以降も、冷静で適切な対応で感染を減らしていきましょう。機関紙「仏教保育」第673号は、6月1日に発行を予定しておりましたが、事情により発行日を7月1日に変更いたします。ご理解お願い申し上げます。いる場合の家庭内での注意事項」を参照。人類の存続してきた歴史は、地球史の中ではまだまだ、わずかな時間であります。温暖化の影響で、凍っていた凍土が溶けだし、ウイルスで絶滅した動物(恐竜?)などがその土の中から片鱗を現す…などという話が事実かどうかわかりませんが、時の流れと感染症の関係が、長い悠久の尺度で想起されます。確かに17〜18世紀に発生した痘瘡やチフス、19世紀に発生した結核、コレラ、そして今も戦いが続いている20世紀以降のインフルエンザ感染流行で、残念ながら多くの命が失われてきました。時代や社会が変化変革され、歴史が転換していく大きな要因のひとつが、感染症の影響であったのかもしれません。それだけ恐ろしく強い影響力を持っているということでしょう。仏教保育の各宗派の祖師、宗祖方の時代にも、少なからず疫病、感染症の蔓延があり、飢饉や天災もあり、そこに生じる人々の苦悩や不安が、お釈迦様の教えを求める大きな宗教希求の要因であったのだろうと想像します。現在同様、いや今よりも深刻に「命」という事への危機感がつのった時代だったのだろうと想像します。この時節、仏教や幼児教育に何ができるのかということを自問自答していきましょう。(五島)令和2年5月1日発行第672号(8)19」と呼ばれています。公益社団法人 日本仏教保育協会〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-4ホームページ http://www.buppo.com/電話 03(3431)7475・FAX 03(3431)1519発行人 髙山久照 編集人 五島 満 毎月1回1日発行(1部300円税込)慈心不殺 生命尊重の保育を行なおう仏道成就 正しきを見て絶えず進む保育 正業精進 よき社会人をつくる保育を を行なおう行なおう 仏教保育綱領

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