202004
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■岡本啓宏先生駒沢女子短期大学■仁科昭雄様こども教育宝仙大学■佐藤逹全先生育英短期大学学生募集には、同様に苦労しております。オープンキャンパスの充実、出張授業もやっておりますが、定員充足には至っていません。定員130名のところ100名弱というところです。内部進学者についても減少しております。その理由を調査したところ、「ピアノは入学してからやればいい」と謳っている学校が進学先として伸びていました。本学では、音楽・美術・リトミック等の表現教育を大事にしてきまして、身体表現発表会や造形展といった毎年の行事には、入学希望者にも案内状を渡して来ていただいています。それで、ある程度ピアノの技術がなければならないという事を言ってきたわけですが、最近はそれをやめました。それから、労働条件の面などから、最近は親の意向として保育職を勧めないというのも現実のようです。また附属幼稚園の教員がなかなか見つからないという状況もあります。附属幼稚園での勤務は厳しいものがあると学生の間に伝わっているという事があるようです。学生募集に関しては、地道な高校訪問とオープンキャンパスの充実等に注力して参りました。特別な事ではございませんが、オープンキャンパスの来校者あるいは出願者に対して受験前にお手紙を出すなどきめ細かい対応に努め、少人数制で面倒見のいい大学というアピールを続けるといった事を行っております。結果として、4年間ほど定員が厳しい時代を経て、今年は一般入試の学生が増え、定員を確保できるレベルまで来たかなというところです。とはいえ、来年は入試改革がありますし、盤石な体制が築けたというわけではありません。今は、教育の質を高めながら、さらに特徴ある教育プログラムについて検討しているところです。また1つのトピックスとしまして、実習を担当されている先生方40名ほどに集まっていただいて、大学と実習先、両者の教育内容のすり合わせを対話しながら進めていくという会が初めて実施されました。学生募集にしても、実習や就職に関しても、こうした外との対話をしっかりと図って、少しずつ改善していけたらと考えております。学生の保育離れが非常に深刻になっていると思います。これは人口減少率の比ではありません。群馬にある本学でも、最近では定員を確保することが難しい状況です。それでいて、入学者はパワーレス、声が小さい、自分から動かず指示待ち…。これで保育者になれるのかなと思うような高校生の割合が非常に増えています。20年ぐらい前まで、学生は皆一様に元気がよくて、間違えてもシュンとならず笑ってまた前に出てくるようなところがありました。また、女性の仕事はある程度限られていただけに、力のある中高生が保育の世界にどんどん入ってきたし、進学校から幼児関係に進んでくる高校生がたくさんいたものです。それを考えると、今の時代に保育者養成を進めていく上で、果たしてこれまで通りのあり方でいいのかどうか。本気で検討していかなければ、保育の人材はもう集まらないのではないかと思っています。それこそ仏教を土台においた保育者の養成という事を、今こそ考えていく必要があるのではないでしょうか。保育を学ぶ学生に仏教保育についてわかってもらうためには、仏教と保育の接点はどこにあるのかを伝えていく必要があります。そこで考えたのが、〝いのち〟というキーワードで仏教と保育をつないでいく事です。保育の原点にあるのは、仏教の〝いのちの教え〟。私は学生に〝いのちの教え〟だよということで仏教保育の授業をやってきました。仏教は生まれてから死ぬまでの生き方をどうするかという事ですから、〝いのち〟という共通のキーワードでつながると思っています。  このほか、認定こども園での実習について、日仏保編『わかりやすい仏教保育総論』(チャイルド本社刊)の改訂・再版などについて意見交換があり、髙木常任理事より閉会の辞が述べられました。協議会終了後は、別室に用意された会場で懇親会が開かれ、話題は尽きることなく和やかで有意義なひとときとなりました。*  *  ■養成機関連絡協議会出席者(順不同・敬称略)重安智子聖徳大学 児童学部児童学科教授阿部真美子聖徳大学短期大学部 保育科長岡本啓宏駒沢女子短期大学 保育科専任講師佐藤純子淑徳大学短期大学部 教授仁科昭雄こども教育宝仙大学 事務部課長(入試センター副センター長)橋本弘道鶴見大学短期大学部 保育科教授小嶋正俊鶴見大学短期大学部 キャリア支援課書記小川隆昭華頂短期大学講師安藤和彦京都西山短期大学■日本仏教保育協会出席者(敬称略)髙山久照理事長髙木正尊研究常任理事荻野順雄事業常任理事丹羽義昭総務常任理事加藤昌康保育制度対策部長五島 満事務局長髙輪真澄副理事長佐藤逹全育英短期大学教授令和2年4月1日発行*第671号(6)

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